不思議な動画をアップします。

 

私のアイリッシュハープ イヴ。

 

茅ヶ崎の海で撮影をしようと連れ出した時。

浜辺にただ置いただけで、こんな風に歌い出しました。

びっくり!

これは、風の振動で弦が揺れ共鳴した音です。

一切触れていないのに、自分で鳴り響いています。

 

アイルランドでの放浪旅から帰国した2001年。

たった3ヶ月だけ語学学校に通って、後はノラリクラリのその日暮らし。

ダブリンに行きたいと思ったのは、正直逃避行だったし(ちょうど事務所を辞めてソロで活動を始めるも、なかなか実績を上げられない日々でしたから)アイリッシュミュージックが好きということももちろんあったけど、周りにうんちくを色々言われるのが面倒で『行ってくる!』って思ったんです。負けず嫌い。行ってしまえば勝ち!みたいな。(苦笑)

 

その中で、私は何をするでもなく、本当にただ朝起きて、パン食べて掃除して洗濯して、曲書いたり買い物に行ったり。半年。十分に日常を味わいました。

 

私は、「旅」がそんなに好きじゃないんです。

新しいものを見てリラックスできるタイプではないのです。

だから、普通に生活できる方がリラックスするのだと思います。

 

完全にリラックスして、ダブリンに感激も薄れた頃「やばいな。」と思い始めました。

何も持ち帰れるものがない。と気づきました。

 

英語はさておき、音楽的に何かをすることもなく過ぎていく日々。

じゃ、私はここで何をできる?

日本の歌い手だよね!日本の歌を歌ってくれよ!と言われたパブ。

正直『君が代』とか?いや〜歌えない。。。

 

そうなんです。

ピアノは弾けたけど、その場で何か弾き語れる『私の歌』を何も持ってなかったんです。カバー曲とか、そういうものをする気はなく、昔のバンドのオリジナルをダブリンの道端で歌ったこともありますが、たった2曲。語学学校の先生にギターを弾いてもらって。

本当に、すごく人が立ち止まって嬉しかったけど、なんせ2曲。

歌い上げても2曲。

だからなんだ?

今の私の歌じゃないし

そんな日々。

 

そしてある時、私は思いました。

 

「あ〜日本に帰ろう」って。

 

私はここダブリンに逃げてきた。

つまり、日本でも自分の何かを築き上げることもできないのに、ダブリンで表現できる何かがあるわけないじゃないよ、、、と。逃避行ですから、何せ。

 

そう、日本で勝負しようって思いました。

 

半年後のダブリン空港。

飛行機に乗っても考えたら気がおかしくなりそうなくらい。ダブリンから離れるっていうことが。それだけ私は生活してたんだなあと思いました。旅なら、「帰るよ〜」って思えるけど、本当に心が引き裂かれるような苦しさだったから。

 

そうして日本に帰国。

どうしても何かを自分一人で作り上げたくて、初めてギター弾き語りをしました、曲も書きました。それ、オムニバスに入ったりして評価いただきました。

 

それでも、アイルランドに触れていたくて。

どうしたらいいかって。

アイルランドの曲をカバーしたって、本物にはなれないし、満足しない私がいる。じゃ、どうしたら。。。アイルランドの文化に自然と入っていけるものは。。。

 

そうだ!ハープだ!

 

そう突然浮かんだわけです。

 

ハープという扉を借りて

私は今も、アイルランドの力を借りています。

でも、向こうのそのままを弾いたりするのではなく、私自身の歌を歌おうと思っています。それは、誰かの真似をすることでは、本当に自分の存在を感じることはできないからです。

 

ハープの音色はアイルランドそのものです。

けれど、それを私の体で受け取ったら、それは私の音になります。

そうして、私は、アイルランドでの日々の空気や風や雨の匂いまで

自分として表現することができていると感じています。

 

向こうっぽいものをやろう!

そう思えば、偽物になってしまう。

あくまで、自分から聞こえてくる響きで声を出します。

でもハープと一緒に。

 

これが私の思う文化の共有です。

 

真似るのではなく、共振動させること。

 

私は沖縄の血が入っていて、

こちらで三線を習う方などを見ていて感じることです。

自分がないまま演奏をすることは勿体無いことです。

沖縄に憧れることはとても素敵なことだけれど

そこへ向かっても、何もないのです。

自分へ返ってくる旅にならなければ。

私が沖縄が好きで、いとこと話をしていても

どこか馴染めない感覚を幼い頃から持っていた

そこから学んだことです。

 

文化を尊重しあうことは

相手の文化も、そして何より自分の文化も

尊重することです。

そして互いのものを出し合って

響きあうということだと今は思います。

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