水底の月 -4ページ目

水底の月

恋の時は30年になりました 

「さっきね、驚いたよ」

 

「何に?」

 

「うちの大学の先生が、sanaのフロアに泊まってる。3つほど隣の部屋に」

 

「うそ!その先生には、昔教えて頂いたことがありますよ」

 

「驚いたよ。今日帰ってきた時にちょうどフロントで会って。僕の部屋は10階なんですと言ってた」

 

「まあ。でも・・・たぶんその先生なら私のことを・・・」

 

「覚えてないと思う?じゃ良かった。だけどこの廊下に僕が立ってるのを見られたら、危ないねぇ」

 

驚いたといいながらも、どこか楽し気にそんなことを言うから

部屋に招き入れるのも、忍者みたいにまあまあなドキドキで。

 

 

回転扉かのように急いでドアを開け、招き入れてそっと閉める

 

ベッドには、枕がひとつしかない

だから雅治が持参した大きめのバッグからは、自室の枕がのぞいてる

ジャケットは着ていたとしても、もし見られたら、滑稽なほどに全く言い逃れの出来ない格好で

 

 

でも、いたずらは成功した

子どものような顔をして、いい大人が顔を見合わせて肩をすくめる

 

 

 

昨日何度も触れられた秘所は

新たに触れられなくても、すでに喉を鳴らすかのように潤っているのに気づいていた

 

ごまかすような言葉も

とりつくろうような所作も

おずおずと許可を求めるような振る舞いもいらない

 

迎え入れる準備も

入ってくる準備も

勝手に身体が整えていく

 

 

子どもの目、は一瞬で消えた

 

瞬きの間に腕に抱かれ

息をつくよりも早く、唇を奪われていく

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 恋愛ブログ 秘密の恋愛へにほんブログ村
人気ブログランキング人気ブログランキング