「さっきね、驚いたよ」
「何に?」
「うちの大学の先生が、sanaのフロアに泊まってる。3つほど隣の部屋に」
「うそ!その先生には、昔教えて頂いたことがありますよ」
「驚いたよ。今日帰ってきた時にちょうどフロントで会って。僕の部屋は10階なんですと言ってた」
「まあ。でも・・・たぶんその先生なら私のことを・・・」
「覚えてないと思う?じゃ良かった。だけどこの廊下に僕が立ってるのを見られたら、危ないねぇ」
驚いたといいながらも、どこか楽し気にそんなことを言うから
部屋に招き入れるのも、忍者みたいにまあまあなドキドキで。
回転扉かのように急いでドアを開け、招き入れてそっと閉める
ベッドには、枕がひとつしかない
だから雅治が持参した大きめのバッグからは、自室の枕がのぞいてる
ジャケットは着ていたとしても、もし見られたら、滑稽なほどに全く言い逃れの出来ない格好で
でも、いたずらは成功した
子どものような顔をして、いい大人が顔を見合わせて肩をすくめる
昨日何度も触れられた秘所は
新たに触れられなくても、すでに喉を鳴らすかのように潤っているのに気づいていた
ごまかすような言葉も
とりつくろうような所作も
おずおずと許可を求めるような振る舞いもいらない
迎え入れる準備も
入ってくる準備も
勝手に身体が整えていく
子どもの目、は一瞬で消えた
瞬きの間に腕に抱かれ
息をつくよりも早く、唇を奪われていく

