抱いても抱いても | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

「いいよ・・・sana・・・イッていいよ・・・」

 

魔性をはらむその身体は熱く滴り

僕の声に反応し、震えはじめる

 

僕の背に回した腕に、力がかかる

今、僕の背に爪を立て堪えていること、この快楽の中でsanaは覚えていられるんだろうか

 

指先の、ギアを上げる

 

sanaは悶え、僕から逃げようとする

力で僕に勝てるわけがない。抵抗すればするほど身体は押さえられ、もっと感じていくだろうに

 

 

 「お願い・・もう・・放して・・おかしくなる」

 

「おかしくなっていい。おかしくなって・・・」

 

 

刺激のたびに身体は反り、もうダメと悲鳴のような声が上がる

 

 

僕の動きを止めようとする手が、溺れる者の手のように何度も空を切るけれど、止めさせない

 

突き抜けて。何度も何度も果てればいい。

果てる姿を見たい。感じきる姿も声も、エロティックにもっと、もっと僕の手で狂えばいい

 

大きく震え、もう一度熱を帯びた目で僕を見て身体を震わせ、果てる

大腿部の震えが足先にまで届くと、もう一度大きく声を上げ、その身体から力が抜けていく

 

抱いても抱いても、欲は満ちることなく愛おしい

 

 

ひくつき、ぐったりと力の抜けたあられもない姿

隠すこともなく足は開いたままで、つく息は早い

 

抱きしめれば、果てたはずの身体はとたんに弾かれ、二度三度起こる痙攣

 

「くうっっっ・・もう震えるのを止めて・・・お願い、もう壊れる・・・」

 

 

折れるほどに抱きしめ彼女の中に起こる嵐の過ぎるのを待つ。

でももう僕のほうが欲しい。

悶えるその身体と、今すぐひとつになることを我慢できない

 

 

 

 

 

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