私の中で① | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

「sanaは、どの体位が好き?」

 

「どの体位って・・・」

 

そんな話を前にした。

包みこまれてしまう正常位がいい、だって・・

 

「いやいや、それだけのはずないでしょ、もっとそれよりも・・・違う?」

 

そう言うと笑った

 

 

私が上になる

雅治の身体に覆われている時、私は起こされた波に巻かれ翻弄されるしかないけれど

 

上になれば、攻守が入れ替わる

 

仕上げた、そう言いたげに目を閉じ

身体を投げ出すように開く

繋がりは解かぬまま、私に身体を任せる

 

 

僕にはsanaの身体がわかるよ

だからsanaは僕の身体がわかるはず、そうでしょ

 

目を閉じた雅治は、何も言わずにそう告げてくる

 

 

 

 

私は雅治の仕様

こんなふうに仕上げられた

好まれるままに望まれるように

 

そして

最後の快楽に舌舐めずりをするように、仕上げられた私の身体は動きはじめる

 

いいかげん焚きつけられた身体

止まらぬ痙攣が、私の中で小刻みに起きはじめる

 

 

身体の上で研ぐように動けば

眉にぎゅっと力が入る

雅治の口は開き、思わずの声が漏れはじめる

 

そう、雅治が好むこの体位も好き

だって、悶える姿が見られるから

 

 

もうただの充足だけでは足らない

欲しいのは、与えたいのは

全身に鳥肌が立ち我を忘れる快楽

 

でも、そこへ

あなたひとりでは、いかせない

 

 

私の動きは早くなり、雅治からは掠れた声が漏れる

腹部に添えた両手や大腿部は、そんな雅治からのフィードバックに震えはじめる

 

違う、私じゃなくて

 

与えて与えて、私の熱を全て与える

 

私の中で、耐えられなくなるまでこらえて

さらにこらえきれなくなる瞬間

雅治が全てを手放すしかない、制御を諦めたその一瞬

 

放ちたいのではなく

放つしかない、限界のところまで与え続ける

 

 

理性でことを進め、いつも変わらない

私に揺らぐことなど無いような

そのあなたの、徹底的に抑制が効かず陥落していくところを見たいの

 

 

あなたが

私に悶え堕ちきる

誰も知らない、全てが外れるような

その姿が見たい

 

 

でも

ひとりではいかせない

堕ちた姿に、あなたから還る快楽で私が果てたい

 

一緒に狂うの 失楽園みたいに

 

 

 

 

指を、大きく動き始めた雅治の脇腹にそっと這わせた

 

 

「あ、sana・・・待っ・・・」

 

 

 

 

 

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