動揺 | 水底の月

水底の月

恋の時は30年になりました 

たった5分前と、今と。

 

たかだか一通のメールで、ショッピングモールの景色も音も、遠くに感じるほどに私は動揺していた。

 

 

「sana」

 

 

はっと我に返る。

 

「今ちょっと見てきたけど、その向こうにプラレールのお店があるよ、行ってみない?買って帰ってもいいかも」

 

「う、うん。そうね」

 

飛び跳ねながらまとわりつくように歩く子供たちを連れて、モールの中を歩く。線路ひしめく店内の様子を見て、息子は歓声を上げた。

 

 

「私、このへんにいるから」

 

「わかった」

 

 

笑みを浮かべながら、息子が持っていない電車を探すパートナーは、こちらに少し手を上げて、そのまま沢山の商品の中に消えていった

 

 

 

 

読んでいない返信が、目の前の景色を邪魔する

 

居るはずのない人の背格好を、あるはずのない偶然を打ち消しながら、でもその姿を歩く人の中に探してしまう。

 

後ろを振り返るのが怖いような

自分の想像力に踊らされていく

 

 

 

何で

私の今をたった1通のメールで

 

返信なんかしない人でしょうに

 

 

 

 

 

 

いやいや。違う違う。

 

たまたまよ、そう。つい久しぶりで、それくらいよ。

ちょうど、暇だったんじゃないの?

 

 

 

 

結局、耐えられるわけがない。

ありったけの想像力にくるくると振り回されたあげく

 

結果が不安な答案用紙が返ってきたみたいな気分で

私は、先生から届いたメールを開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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