翌日の夕方、4時を少し回ったころだった。
「こんにちわー」
「あら。どうした、今日はえらく早いな」
「仕事は半日。時間つぶしでパチンコでもと思ったら出る出る。で、今日の会議の前にケーキでもと思ってねー」
「オッサンの会議にケーキかね」
「オッサンでも食べられる美味しいヤツよ。それにべっぴんさんもいるでしょ」
「おお、べっぴんさんは奥にいるけど、今日は何か知らんが機嫌が悪い」
「ほー。また、おたくさんの昼寝がバレたんじゃないの?」
「はん。上司が仕事したら下は何をするんじゃって?」
上司とOさんが向こうでしゃべる声がする。
機嫌が悪い、などとわざと聞こえるように言う上司にも腹が立ったが能天気にしゃべっているOさんにも苛立つ。
昨日は電話がつながらなかった。
今日の会議には来ることも知っていた。
もう、全部に腹が立つ。
頭の中で繰り広げられる怒りの無限ループは、もう何に腹が立っているのかわからないくらいになっていた。整理がつかない。
ぶつけないと収まらない、収めようがない。そして自分自身が何を考えたらいいのかもわからない。
しかし次第に、怒りよりも悲しみ、そして諦めのような気持ちもじわじわとこみ上げてきていた。
「よっ。機嫌が悪いって?」
Oさんがいつもの様子で部屋に入ってきた。