一年の中で最も辛い時期を何とか今年も抜けました。
人それぞれ苦手な季節があると思いますが、
私は毎年2月~3月が何とはなしに調子が悪いです。
軽くはなりましたが、約30年来の花粉症も手伝って
基本的に体調が今ひとつなのがベースにあり、
その上、特に理由もなく精神的に落ち込むのがこの時期です。

今年はさらに更年期がらみの不調も手伝って、
かなり長い低迷期を過ごしておりました。
桜が散って八重桜も満開を迎え、
ようやく、長く、ぱっとしない季節が終わりそうです。

Shinryoku
《緑香庵の新緑》

「ムードオルガン」とは、フィリップ・K・ディックの
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』というSF 小説にでてくる機械で、
その日その時をどんな気分で過ごしたいかを選び、
自分の精神状態をチューニングするというものです。
小説中ではこの機械の仕組みは詳しく語られないのですが、
おそらくこの「ムードオルガン」からは香りの分子が出ていた
のではないかと私は考えます。

特に薬をのんだり、医者にいくほどではない軽い不調、
でも、すっきりしない、やる気が出ない、元気になれない、
肩や首がこる、背中も張ってる、いわゆる不定愁訴。

こういう状態が私にも訪れることがあります。
本当に体調が悪ければそれなりの治療が必要ですが、
この程度だとかえって打つ手がなく、
気分転換をしたり、休養をとったりしてやりすごすしかありません。

こういう時にアロマは本当に助けになります。
アロマは脳に直接働きかけることができます。
嗅覚は、視覚・聴覚・味覚・触覚のどの感覚とも異なり、
古い脳、本能の部分に直接作用できる唯一の感覚です。
人の気分、精神状態を一番簡単に変えることのできるのが、
この嗅覚を使った方法ではないでしょうか。

アロマは意識の介在しない感覚的な部分で働いてくれるので、
考え事で頭が「わやくちゃ」な時、
自律神経が混乱して体調がすぐれない時、
そういう時こそ活躍してくれます。

どんよりして、何にもする気がしなくて、
自分が無価値に思えたら、とにかく手当たり次第、
効能効果は関係なく精油瓶の蓋をきゅるきゅると開けてみます。

すると一瞬にして気分が変わります。
ほんの少し光が射したようにかすかな元気が出てくるので、
いくつか蓋を開けて、今の気分に合う物を探してみよう
という気持ちになってきます。
そして、気に入った物が見つけられる頃には
すでにもう、かなり大丈夫なラインに上がっています。

こうして気分をチューニングしながら日々を過ごしている私にとって、
まさにアロマは「ムードオルガン」なのです。

Mokkobara
《緑香庵の木香薔薇 (もっこうばら)のつぼみ》