エディターレビュー
内容紹介
モントリオール世界映画祭・グランプリ受賞
第81回米国アカデミー賞外国語映画賞 ノミネート!!
納棺師─
それは、悲しいはずのお別れを、
やさしい愛情で満たしてくれるひと。
【キャスト】
本木雅弘
広末涼子
余 貴美子
吉行和子
笹野高史
山崎努 ※崎は正式には旧字になります(「大」が「立」になります)
【スタッフ】
監督:滝田洋二郎
脚本:小山薫堂
音楽:久石 譲
【特典映像】
●映画『おくりびと』の撮影開始から公開~大ヒットロングランまでの軌跡を綴る一大メイキング映像
●舞台挨拶
●モントリオール受賞会見
●未公開映像
●劇場用予告編集 ほか・・・予定
各賞総なめ!!続々と受賞!
★モントリオール世界映画祭・グランプリ受賞
★米国アカデミー賞最優秀外国語映画賞部門ノミネート
★日本アカデミー賞最多全13部門受賞
優秀作品賞・優秀監督賞【滝田洋二郎】
優秀主演男優賞【本木雅弘】
優秀主演女優賞【広末涼子】
優秀助演男優賞【山崎努】 ※崎は正式には旧字になります(「大」が「立」になります)
優秀助演女優賞【余貴美子】
優秀脚本賞【小山薫堂】
優秀音楽賞【久石譲】
優秀撮影賞・照明賞【浜田毅/高屋齋】
優秀美術賞【小川富美夫】
優秀録音賞【尾崎聡/小野寺修】
優秀編集賞【川島章正】
★キネマ旬報ベストテン第1位
監督賞(滝田洋二郎)
脚本賞(小山薫堂)
主演男優賞(本木雅弘)受賞
★ブルーリボン賞主演男優賞
★毎日映画コンクール
監督賞
録音賞受賞
★報知映画賞・作品賞受賞
★日刊スポーツ映画賞・作品賞&監督賞受賞
★日本映画ペンクラブ会員選出ベスト5第1位獲得
★ゴールデンクロス賞・話題賞受賞
★中国金鶏百花映画祭(国際映画部門)
最優秀作品賞
最優秀監督賞
最優秀主演男優賞 受賞
★釜山国際映画祭・公式上映
★ルイ・ヴィトン・ハワイ国際映画祭・観客賞受賞
内容(「Oricon」データベースより)
求人広告を手に会社を訪れた大悟は、社長から思いもよらぬ業務内容を告げられる。それは遺体を棺に収める「納棺」という仕事だった。納棺師の見習いとして働き出す青年と様々な境遇のお別れを描いた感動のドラマ。本木雅弘、広末涼子、山■努ほか出演。
カスタマーレビュー
とてつもなく繊細で緻密な、日本を代表する美しい作品
壬生義士伝の滝田洋二郎監督の作品。主人公の男性(本木雅弘)はプロのチェロ奏者になる夢に挫折したため、亡き母が残した実家に戻り職を探す。若い妻(広末涼子)に内緒でしかたなく遺体を棺桶に移す納棺師の職につくが、納棺師は忌み嫌う者が多い職業であった。最初はいやいや仕事をしていたが、上司(山崎努)の真摯な姿勢や、多くの死者とその家族に接しながら、納棺師という仕事のすばらしさに気づく。しかし、妻や友人がその職に気づくあたりから人間関係が壊れていくが、意外な展開ですべてがクライマックスに終結する。
非常に美しい映画で、時間内に登場する出来事や台詞に全く無駄がないどころか、あらゆるものが複雑に連携し、見るたびに多くのメッセージに気づかされる。主人公がこよなく愛するチェロは、子供の頃に家を捨てていった憎むべき父親が買い与えたものであり、父に対してはきわめて複雑な感情を抱いている。また、食事のシーンは生物の屍体を『いただいている』という強烈なジレンマを感じさせる。仕事の美しさや家族の愛情とは何なのかを、納棺師という特殊な職業を通じてみんなで学ぶ作品であった。また、涙あり、笑いありで最初から最後まで休みなく心が揺すぶられる作品であった。
間違いなく2008年で最も美しい作品で、今までに見たすべての映画の中でも五指に入る秀作。アカデミー賞外国語映画部門での評価に期待できる、日本を代表する作品と思う。チェロが奏でるメロディーも秀逸で、既にCDを購入した。きわめて完成度が高く、文句なく星5つ。
日本映画の美質が集約されたような。。。秀作のなかの秀作
秀逸。。。
余計なシーンやせりふがない。
納棺師役の本木さん、山崎さんの、指先まで全神経を集中させたような、きめ細やかな演技。
映像は、この日本のくにの、四季の情景描写が、このうえもなく、ただ、ひたすら美しい。
そしてこの映画を支えるもうひとつの要素。
チェロの旋律が随所に、叙情的に、川のせせらぎのように流れ、心が清められるような気さえした。
職を失ったチェロ奏者大悟は、故郷山形に帰り納棺師に。悲しみに沈む遺族の前で、ご遺体を美しく整え納棺する、崇高なる儀式の遂行者。当初この仕事を拒絶した妻も、大悟がかれの友人の母の納棺を厳粛に執り行うのをみて、この職務が人間愛がなくてはできない、立派で気高いものなのだと理解し始める。。。
ラストがこの上なく、印象深い。
妻子を捨て、実に30年ののち、ひっそりと死んだ大悟の父(故・峰岸徹さん)。
その父の納棺を、大悟が自らの手で行うとき、父の手中に握られていたものとは。。。
別離していた父子の心が、最後の、本当の最後に、やっと通い合うような、この静かな場面が、みるものの胸をうってやまず、感動の余韻を、いつまでも、いつまでも、心に残すのだ。。。
公開直後、本当に亡くなられてしまった峰岸徹さんに合掌。
人はやがて死ぬ。人は死者をおくり出し、やがて自分もおくり出される。すべてのひとに平等に訪れる、その、静寂のとき。
ひとが生き、やがて死ぬことを真摯に受け止めさせられ、「おくる」、「おくられる」そのときと、人生の時間の大切さを、しみじみと考えさせられる。
みるものの魂に静かに染み入るような、美しく、情緒的で、そして品格の高い、日本映画の秀作の中の秀作。
星6つにも値する、私達にとって、とても大切な作品ではないかとおもいます。
ぜひとも、多くのかたにご鑑賞いただきたいです。
納棺の所作、音楽、山形の風景、すべてが美しい傑作
去年私が映画館で観た邦画の中では、「山のあなた 徳一の恋」と1位を争う傑作だ。本作には素晴しい点が多数ある。まず、納棺師という職業があることを本作で初めて知ったが、遺族の思いを受け止め、故人と遺族の別れをおざなりではなく、心を込めて、きびきびと、時に想定外の状況に対応しながら演出する、納棺の一連の所作の美しさに感嘆する。次に、久石譲の音楽。チェロの魅力を十二分に引き出し、感動を深めてくれる。3番目に山形の風景と四季の移り変わり。主人公が野外でチェロを弾く場面は実に印象的だ。4番目に俳優の演技の見事さ。主演の本木雅弘はもちろん、山崎務、吉行和子、余貴美子、そして笹野高史。特に人間の業を肯定し、超越したかのような、山崎務がフグの白子をぱくつく場面は最高だ。そしてラスト近くで笹野高史演ずる役の職業が明らかになり、プロ意識をもって振舞う場面もグッとくる。広末涼子の演技は好きになれないが、納棺=汚らわしいという普通人の思い(歴史的に日本人の心の底にある穢れ嫌い)を口にして家を出てしまう妻の役に、素人っぽさが抜けない彼女を配したのは悪くはないと思う。主人公が父とのつながりを再確認する石文の話にもホロリとさせられる。
本作を観て一番心に残るのは、故人との別れの崇高さ、それを陰で支える納棺師の矜持である。誰しも真に心のつながりのある人によっておくられたいと思うだろう。

