●特定都区市内制度と選択乗車(応用編)

【原券】大阪市内→横浜市内

Aさんはこの日武蔵溝ノ口に用事があり、上り新幹線に乗車しています。
何年か前に行ったときには、

新横浜→(横浜線)→東神奈川→(京浜東北線)→川崎→(南武線)→武蔵溝ノ口

と行き、武蔵溝ノ口駅では矢向から210円支払いました。

2010年の3月、横須賀線に武蔵小杉駅が出来ました。
今回、Aさんは新幹線で品川まで行き、

品川→(横須賀線)→武蔵小杉→(南武線)→武蔵溝ノ口

と乗車しようと考えています。

以前別の用事で品川駅に降りた際は川崎からの運賃210円(と特急券分)を支払ったので、あらかじめ川崎~武蔵溝ノ口駅間を携帯で調べ210円を用意したものの、品川駅の新幹線精算窓口では450円です、と言われました。

携帯が教えてくれた川崎~武蔵溝ノ口間210円というのは南武線経由での運賃です。
また普通に川崎から乗車して、品川のエキュート(駅ナカ)で買い物して武蔵溝ノ口に行っても210円です。これは東京近郊区間内の為、仮に品川を経由しても最安の運賃で計算されたためです。

一方、東海道新幹線は東京近郊区間内に含まれません。
また、~横浜市内+川崎~武蔵溝ノ口(経由:南武)の乗車券では小田原~品川間の選択乗車が不成立です。

よって2つの条件を満たすためには
・実際の経路で計算
・川崎~品川間は東海道線経由で経路を確定する必要がある
わけです。

つまり川崎~(品川)~(武蔵小杉)~武蔵溝ノ口の実乗車26.6キロ=450円を請求されたわけです。
●特定都区市内制度と選択乗車

【原券】仙台市内→横浜市内

このきっぷを持っているAさんが東京から小田原まで新幹線で乗り越します。
品川~小田原駅間は東海道線と東海道新幹線は別線ではありますが、選択乗車がありますので、横浜市内の最も小田原よりの戸塚・・・と言いたいところですが、根岸線の本郷台の方が小田原に近いため、基準規程および通達により本郷台~小田原間の運賃を収受します。

一方、
【原券】名古屋市内→横浜市内

このきっぷを持っているBさんが「のぞみ」で新横浜まで行き、「こだま」で小田原駅までバックします(時間帯によってはそちらの方が早く着くためで、乗り間違いなどではありません)。

その場合は本郷台~小田原ではなく、新横浜~小田原を収受します。

「いや、新横浜~小田原間にも選択乗車があるではないか」

との声が聞こえそうですが、この場合の選択乗車は新横浜(~横浜)を発着とする乗車券のみに適用となります。

【原券】名古屋市内→横浜市内
これを読み替えると、
【原券】名古屋市内→(新横浜)→(東神奈川)→(横浜)→本郷台
と言う乗車券になります。

発着駅であるべき新横浜駅は、このきっぷにおいては中間駅となります。
また本郷台を発着とする選択乗車は存在しません。
よって、単純に新横浜~小田原間を収受します。

ちなみにCさんは新横浜で「のぞみ」を降りた後、横浜線と東海道線で小田原に向かいました。
この場合は、本郷台からの精算でかまいません。
乗車券は一筆書きとなるのがルールです。A駅-B駅-C駅と並んでいるときに、B駅→A駅→C駅と移動する場合、A駅で改札を出るか出ないかは関係なくB→Aの運賃、A→Cの運賃を支払います(連続乗車券となります)

さて、東京都区内→名古屋市内の乗車券を所持するAさんは名古屋駅で新幹線を降りた後、大高に行きます。
東海道線で大高に着いたところ、先ほど乗ってきた新幹線が脇を走っていることに気づきました。そう、Aさんは大高~名古屋間を復乗したのです。

では、Aさんは大高で名古屋からの運賃を支払うかというと、これは基150条 特定都区市内等における折り返し乗車等の特例 により、支払わなくてよいのです。

特定都区市内とは一定のエリアを一つの駅と見なす制度です(明文化されているわけではありませんが)。一つの駅の改札内をどう動こうと勝手ですからね。


同様にBさんは名古屋で新幹線を降りた後、東海道線で刈谷まで行きます。この場合もエリア内は復乗が可能ですから、名古屋市内最遠の南大高までは復乗であっても別に運賃を収受することなく乗車でき、刈谷駅ではそれでも足りない南大高~刈谷間の運賃を支払います。