先日はCharのファーストアルバムCharについて書いていたわけですが、本編のアルバムに触れる前に色々と話が飛んでまして 笑 初めてのChar体験が2枚のベストアルバム「Best Of Char」と「Character」だったところまで書いてました。
ちなみに内容、というか収録曲的に「Character」はCharのそろデビューから数年間の作品具体的にはファーストアルバムからソロの3枚目まで、「Best Of Char」はその時期の作品にソロ活動後のJohny、Louise&Charの作品も含まれていました。
それぞれのアルバムで被っている曲もあれば代表曲「Smoky」は「Character」はオリジナル版、「Best Of Char」に関してはデビューして少しした後アメリカでレコーディングされた「U.S.J」というアルバムに収録されてるバージョンというマニアックな違いがありました、、
細かい話だよなぁ、、笑
多分、「Best Of Char」から聞いたと思うんですが初めて聴いた感想は、、カッコイイ!、、でも、なんだコレは?!
という感じ。肩透かしをくらった感じでした。
どうしてそう思ったのか??
雑誌などでみてたイメージだと、「Char=カッコいいロックギタリスト」
っていう図式が僕の頭の中で出来上がっていたんですが、、アルバムを通して、あんまりロック色が思ったより薄い感じがしたんですね。
ただ、それこそがCharのセンスというか、一番のセールスポイントなんですが。
、、どういうことかと言えば、、「ロックギタリスト」もっと言えば、当時の自分にとって「ロック」ってブルースがベーシックにあるようなハードロックを意味してました 笑
勝手なイメージなんだけど。
その当時といえばロックバンドってガンズアンドローゼスとかエアロスミスとか、、レッドツェッペリンとか、、とにかくエレキギターのディストーションのリフがあって曲の間奏になれば必ずお決まりのギターソロが出てきて、、みたいなスタイルがある程度イメージとしてあったのですが。
その当時の趣味で言うとソロミュージシャンならジミ・ヘンドリックスとかエリック・クラプトンとかスティーヴィー・レイ・ヴォーンとか、、とりあえず伴奏で歪んだ感じのギターを聴かせながら歌うギタリストたちと似た感じかと思いきや、ギターパートで特にリズムはあんまり歪んだ音が聴こえてこないところに驚いた、、と言うか新鮮でした。
2枚のアルバムの中でも「Best Of Char」のJohny ,Louise&Charの頃の作品になるとディストーションのパワーコードのリフも出てくるわけですが、、。
もう少し詳しくお話しすると、ギターに関してはソロパートになればロックらしく歪んだ音でガンガンチョーキングを効かせて訴えてくるのに、メインのパートはギターのトーンが軽い感じ、クリーントーンでなんかおしゃれな雰囲気、要は通常のトライアドに7thや9thの音を加えたコードをファンキーな16ビートに合わせてリズミカルにカッティングさせてる、それが新鮮だったし、当時の自分の引き出しにない感じで初めて聴いた時は??って思いましたよ。
’70年代以降のポップミュージックってそれまで以上に黒人系の音楽が注目されて、’60年代の後半からいわゆるファンクやソウルもそれまでよりさらに進化した、、と言うかオシャレになってCharはそう言うところにもすごく敏感だったんだなぁ、、って思います。
マービン・ゲイの「What's Going On」とかスティーヴィ・ワンダーの「Talking Book」とか’70年代になる前後から既存のアーティストの作品もなんか垢抜けた感があって、、あとはダニー・ハサウェイの「Live!」とかも。
'60年代のオーティス・レディングやジェームス・ブラウンとかとは、はまた違ったシャレオツな感じが今でも魅力的で僕はCharのこのアルバムに限らず、この年代のこのいわゆるネオソウルとかA .O.Rと呼ばれるジャンルは現代のポピュラーミュージックの中でも一番好きなジャンルの音、、と思ってます。
色々と魅力的な作品があって、僕は特に紹介する専門家とかではないからそんな詳しくないんですが、他にも上記の作品以外に海外のアーティスト作品ならボズ・スギャックス「Silk.Degrees」とかスティーリー・ダン「Aja」、日本の作品なら大貫妙子「Sun Shower」、山下達郎「Circus Town」とか、、とにかくあの感じの雰囲気が本当に好きでしたね。
そうそう、あとボビー・コードウェル「Evening Scandal」も!
ジャンルは違うけど大好きなジェフ・ベックの出世作「Blow By Blow」もこの当時の作品でロック路線ではあるけどちょっと大人びた雰囲気の作品です。
この作品を作った当初のジェフ・ベックのインタビューを読んでいるといわゆるロックミュージックのファン層、消費者の担い手は’60年代は10代〜20代前半くらいの若者世代でマージービート系のロックやサイケデリック・ムーブメントの流れもあって弾けた感じのシンプルなロックがウケたけど、その世代が30代くらいに突入して自然と大人びて少し落ち着いたロックを求めていたから自ずとそういった方向に作品が向いていった、、的な事も書かれてありこの内容がその当時のポピュラーミュージックのシーンを上手く言い表しているように思います。
’60年代から’70年代にかけて例えばキング牧師のような人が中心となって、社会的背景として黒人の民権運動が盛んになって音楽の世界でも黒人の影響力が強くなり、また音楽業界でもビートルズやボブ・ディランのような白人文化のロックがかつてなかったような規模で商業的な成功を納めた事に衝撃をうけて、その当時のジャズの古株的存在、マイルズ・デイビスらが従来のジャズを新しい時代のロックやファンクと融合させようとした事によって起こるクロスオーバー、フュージョンのムーブメントがあったり、、
このコラムの題材になってるCharのファーストアルバムや先述してます2枚のベスト盤に収録されてる作品群はそんな世界の時代の流れを鋭く読み取った極東のギター少年Charのこの当時の日本、と言うか世界のポピュラーミュージックに対する真摯な回答の一つだったんじゃないかな、、って思います。
で、もっと言うとこの当時の日本のアーティストにとって音のセンスの問題以外に、もう一つ大きな問題が、、
それは歌詞を日本語にするか、英語でいくのか、というところです。
Char収録曲も優れた日本語の歌詞がある中で、「Smoky」、「Shine You Shine Day」のように全編英語の歌詞の作品もあり、、初めて聴いた時に「闘牛士」、「気絶するほど悩ましい」など日本語の歌詞なのに、単に当時の歌謡曲という感じでもなく、海外のロックにも通じる洗練された雰囲気があり、、
歌謡曲調でダサそうなんだけど、すいません、アレンジや演奏がカッコいいから、普段はロックをメインで聴いてるリスナーもついつい最後まで聴いてしまうそんな魅力がCharの音楽にはあるなぁ、、っていつも思います。
本当に、この当時’70年代前半から中盤にかけて、日本でまだまだ商業的にロックミュージックがアメリカやヨーロッパほど確立されていなかった時代に演歌や歌謡曲と一線をかしてポップミュージックをやる、ましてや日本語でやる、、って海外のアーティストがロックとファンクを融合させた音楽を作る、、以上に言葉の問題もあり複雑な事だったと思います。
言葉の問題、日本語のロックっていうところではそのうちまた、好きなバンド「はっぴぃえんど」とか「サディスティック・ミカバンド」で触れてみたいと思いますが。
そんなわけで、書けば書くほど、この’70年代の自分の好きな音楽の良さやCharの偉大さに気づかせてくれるブログなのでした 笑
もし、最後まで目を通して下さった方がいらっしゃったら、長文なのにお付き合いいただき心より、感謝します!
https://music.apple.com/jp/album/sketchbook-higashiyama-ep/1591009622
https://linkco.re/mqh181Et
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