先日から少しずつお話ていたのですが、今年配信を開始しました僕の人生初のミニアルバムについて少しお話ししようと思います。

 

岩崎涼海「Sketchbook Higashiyama - EP

https://music.apple.com/jp/album/sketchbook-higashiyama-ep/1591009622 

 

もう何年も前からDTM、Dedightal Table Music、と言ってパソコンのみで制作できる音楽をずっと作り続けてきたけど、トラックを1曲分作ってみるとか、流行りの弾いてみた動画用の音源を作るとか、、一枚のアルバムを作るっていうことはやったことがありませんでした。

 

今時、いろんなものがデジタル化された時代で音楽をアルバム単位で曲順に聴くとかナンセンスかなぁ、、と思いつつ僕が生まれた昭和後期ってまだレコードが存在していて青春時代、音楽を聴きまくってた頃はまだ媒体がCD主体の時代だったので、あくまでアルバム全体で楽しむっていう文化があった感じです。

 

’90年代だったら邦楽でもB'zとか小室哲哉プロデュースの安室奈美恵の作品とか、ミスチルもコンセプトアルバムみたいなの作っていて良い時代だったなぁ、、とかオッサンくさいことを思っていますが 笑

 

挙げ出したらキリがないですがMiles Davis「Kind Of Blue」とかStevie Wonder「Key Of Life」、Led Zeppeline「Led ZeppelineⅡ」とか音楽の楽しさを感じさせてくれる最高のアルバムをたっぷり聴いていましたよ、10代の頃からずっと。

 

 

僕は今、36歳ですが段々と年齢も30代になってくると人生って有限なんだなってしみじみ思う訳です。

 

当たり前やろって、話ですけど。

 

自分がいつ迄も今までの様に生きていれる訳ではない、生きててもフィジカルな面で衰えはやってきて、精神的にもずっと溌剌としていられるだろうか、、。

 

そして自分が死んだ後はどうなるんだろう、、。

 

今の時代を生きた証が何か残せたら、もしかしたら自分が亡くなった後にも誰かが僕の事を思い出したりするだろうか、、。

 

そんな想いもあり、せっかく音楽やってるんだったら今までやった事ないアルバムに挑戦しよう!、、そんなことが重なって今回の作品作りに繋がりました。

 

2018年に父方の祖父が亡くなりまして、なんとなくお葬式とか行くと人って無くなってもみんなの心の中で生き続けるんだなぁ、、って思った経験もデカかったですね。

 

 

それでちょっとずつパソコンで曲を書き出したんだけど、ちょっとしたハプニングが発生!

 

2020年春、コロナショックです 笑

 

この当時、僕は奥さんと最悪な人間関係だったんですけどコロナ禍でお互いに自宅にいることが多くなって、家で大喧嘩の毎日。

 

それで端的に言うと、一度自宅から出て近所のアパートで別居することになりました 笑

 

仕事の方も大阪市内のエステサロンで、濃厚接触がどうのこうの、、大阪府知事が毎日TVで何人感染してます、、みたいな感じで微妙な雰囲気になっておりまして、休業要請もでて、、丁度良かったんですよ。

 

ビジネスもプライベートもひと休み。

 

給付金もいただき2020年5月〜7月の間はいろんな事をお休みしてました。

 

子供と毎日会えなくて、どうしてるかな、、って思ってみたり。

 

近所にいるけど別居で奥さんと喧嘩して追い出された感じなんで、中々自宅に行きづらい。

 

 

この持て余した時をどうしよう、、と思いつつワンルームマンションで毎日ギターを弾いてました。

 

何のあてもなく。 

 

何もなければ、毎日酒浸りになるんじゃ無いのか、、そんな恐怖もあり毎日、音楽制作をやろう!そのために時間と空間がプレゼントされたんだ。

 

そんな風に思って過ごしていました。

 

1日10時間くらいギターを弾きつつパソコンを操作して、たまにエステのお客様がいらっしゃるからサロンに行く。そんな毎日。

 

やってみたら、ギターの弾き方、テクニックが出来てるつもりが全然出来てなかったやん、、とか音楽制作のソフトの使い方、何にも分かってなかったやん、自分!

 

とかそんな事も多くかなり必死な感じでしたね。

 

 

そんな日々を過ごしながら、時たま足を運んでいた京都市東山区。

 

うちの近所からだと京阪祇園四条駅まで非常に近くって、電車で片道二十分くらい。

 

京都といえば嵐山や嵯峨野、その他色々観光スポットも多いでしょうが、身近に行ける京都らしい風景ってことで僕はよく足を運ぶのがこの東山、祇園だったのです。

 

もっと言うと、その昔小学生だった頃に修学旅行でこの祇園、特に清水寺を訪問しまして清水寺から下った三寧坂、二寧坂の景色に子供ながらに感激して、なんて美しい景色なんだ、こんな街に住んでみたい!くらいに思っていた風景なのです。

 

今ならいくらでも行けるけど、しみじみと良いよね。

 

写真は夜の寧々の道。

 

 

昼間は京都でも有数の観光スポットなので八坂神社から清水寺にかけて凄い人だかりだけど、夜はお店屋さんも閉まっていてものすごく静かな場所。

 

棒のようなネガティブな人間はこの閑散とした静けさの中で一種のヒーリングというか目に見えない癒しの空気みたいな物を感じるんですね。

 

この時から、この街の周辺を散策する習慣が出来てきて、、月に1〜2回八坂さんの一日参りも兼ねていろんなお寺や神社を参拝する様になったんです。

 

 

夜の円山公園。

 

全然知らなかったけど、高台寺は寧々様を祀っていてお参りすると、恋愛成就の効果があるとか、、知恩院のあの偉大な三門は江戸時代になって徳川幕府が建築したとか、、そんな豆知識もめちゃ身についた。

 

2020年は清水寺の本堂の修繕が完了したり、八坂神社の境内が国宝指定を受けたり色々エポックメイキングな年でしたね。

 

あの祇園祭もお休みしてましたしね。

 

 

ある日、知恩院を訪れてなんかその時に神がかったエネルギーの様なものを感じたのですが、その翌日に早朝何となく一人暮らしのアパートで寝起きにパソコンをいじって曲を作り出しました。

 

リズムトラックから順番に作っていったけど、なぜかめちゃ作業が捗った。

 

その時出来上がった曲がアルバム収録曲「Old Temple」です。

 

何となく知恩院の中を歩いていた時のインスピレーションで、気づいたら出来上がっていた、、という感じです。

 

メロディも何も決めずに適当に自分で作ったビートやコード進行に合わせてリードギターを弾いている。

 

一人でセッションした感じですね。

 

 

それで、その時出来上がった音源を何となく保存しておいて、後で聴いてみたら思ったより完成度が高かったなって、、思って。

 

制作にかかった時間はわずか4〜5時間でした。

 

それが意外と良かったので、もう少し同じ様な感じで作ってみよう。

 

そんな感じでそれから数週間、短時間のセッション形式でのトラックメイキンが始まりました。

 

 

ただ闇雲に作るっていうより、何となく大好きな祇園の街並みをイメージして一曲一曲取り組みました。

 

京都の街並みが好きという事もあるけれど、せっかく日本人として生まれてきたのなら、日本人としてのアイデンティティを表現出来る作品にしたいんだっていう思いもありました。

 

尊敬しているアーティストで坂本龍一や松本孝弘のようにメロディに和のテイストやアジアを彷彿させるエキゾチックなロックやポップスの型式の音楽を作りたいっていう気持ちはすごく強かったですね。

 

一つのテーマに沿って制作することで、統一感が出て歌のないインストゥルーメンタルの音楽も楽しく聴けるものになるのでは、、って何となく思ったんです。

 

それこそラテンにこだわってインストの曲を書いた高中正義のように。

 

 

で、そのように自分の曲作りのスタイルがある程度、定着して何曲かトラックが出来上がって来た。

 

但しその時には、まだこの作品でリリースしようって気は全然なかったんですけどね。

 

この時作った作品をベースにさらに新しい作品をその当時、作っていまして自分的にはそちらを完成度を高めて発表しよう、、と思っていたんだけど、それは今でも進行中です、結構時間がかかっていまして。

 

そんな中でもう一度、今回のアルバムの収録曲に耳を通してみれば意外と良いんじゃないの、、って思えた。

 

物作りの世界に、完璧なんてないし、やり続けたらいつまでも終わらない、、自分の等身大の姿を表現しょう、、って事でこの段階ではこの作品をひとまずミニアルバムで発表するのが良いんじゃないかっていう風に自分の中で答えが出たんですね。

 

あの適当に作った作品で良いんか?ホンマに??

 

とは思ったけど自主制作で取り立てリリースに費用もかからないんで、嫌になったら取り消ししよう、、っていう軽い気持ちで。

 

 

そんなわけで「Sketchbook Higashiyama」っていうのはあの大好きな東山の街並みを見て感じたインスピレーションでスケッチブックに殴り書きした風景です、、っていう意味合いがあるんですね。

 

本当に鉛筆で殴り書きした乱暴な雰囲気もありますが、それはそれで良さがあるんじゃないの、、っていう事ですね。

 

その昔、マイルズ・デイビスが「Sketch Of Spain」っていうアルバム出してましたが、それに憧れてましたね。

 

スケッチって本来、視覚的なものですがそれを音の世界で表現しているっていう。

 

シンプルにカッコいいって思って、完成された色彩画もいいけどラフなモノクロのスケッチも雰囲気あっていいなって思ったんですね。

 

またその内、記念に収録曲についても解説ブログを書いてみたいと思います。

 

えっ、誰も読まないって??

 

、、まぁ良いじゃ無いですか 笑 

 

岩崎涼海「Sketchbook Higashiyama - EP

是非お試しください。