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イタダキネタ
先週末、鱧と発光ダイオードで町興こしに力を入れている徳島県の阿南で仕
事があり、大阪から高速バスで淡路島を横断して入りました。2時間半、バス
代は約4千円で、JRで岡山まで新幹線、瀬戸大橋—高松経由で行くよりもは
るかに安く、かつ早く行けます。
また、空港までのアクセスや乗り換えを考えると飛行機よりもずっと便利で、
7,8人の乗客で営業上もペイしそうです。
徳島と言えば、眉山のふもとにある阿波踊り会館では、毎夜、地元の連が交
代で阿波踊りの公演を行っていて、練習で鍛え上げられたセミプロ集団による
踊りの迫力は素晴らしいです。ネットで予約した安いビジネスホテルに宿泊。
翌日は、夜徳島で合流した妻と高松に出て、小豆島へ。高松までは徳島交通
の高速バス利用です。土日は特別割引もしていてJRの普通運賃よりも安く、
一方JRは自らの首を絞める結果となる高速バスを走らせることもできず、客
を食われています。ネットや高速道路の普及がデフレをもたらしているのです。
小豆島はオリーブ公園の見学とオリーブ油を使った料理が目的でした。オリ
ーブはスペインやイタリアなど地中海沿岸の温暖な気候が生育に適していると
思われがちですが、意外にも冬に一定の寒さがないとだめで、現に戦前試験栽
培が始まった沖縄や鹿児島ではうまく育たず、かえって豪雪地帯の京都丹後地
方では立派に育っているということです。
日本では、天然素材のオリーブオイルはブームで、とりわけ純粋小豆島産の
エキストラ・バージンオイルなどは、スペイン・イタリア産や国内産とのミッ
クス製品よりも3倍くらいの高値で売られています。
島には至るところにオリーブが植えられていて、小豆島産オリーブオイルが
それほど稀少価値があるとも思えないのですが、手摘みで厳選された品質と
「本場小豆島産」というブランド力で競争力を保持しています。海外製のオリ
ーブオイルの中には、どうせ日本人には味の違いなど判るはずがないと馬鹿に
して、品質の劣ったきずものや古い在庫品を原料にしているものもあるようで
す。
他方、テレビや雑誌・新聞等で千万単位はするであろう広告費を払い、店を
構えて広く宣伝されている有名農園のブランド製品などは、当然、その経費が
価格に反映されていることは間違いありません。
このネット時代、生産農家が直接消費者と結びついて、大規模業者とほとん
ど同じ品質のものを巨額の宣伝費をかけない分だけ安く提供できるはずで、地
元にそういう生産農家があるはずだと思っていたら、はたして定年退職後、小
規模のオリーブ栽培で、ネット通販のみで取り組んでいる方がおられました。
しかも、手作りビールではありませんが、素人が栽培したオリーブの果実か
らたとえ少量であれ機械を用いずにプラスチックボトルを用いてオリーブオイ
ルを抽出する方法や、東急ハンズでも売っていないドイツ製のばねを用いたオ
リーブの種だけをとる器具なども教えていただき、早速、首尾よく交配させる
ために、我が家で鉢植えしているものとは違う(であろう)品種のオリーブ苗
を購入して、これから楽しみな栽培実験が始まります。
高速バスとネット通販、予約にはデフレの共通項があります。新聞によれば、
昨年のネット通販による取引高は、スマホの普及もあって、楽天、ヤフー、ア
マゾンの大手3社だけで合計4兆円余り、取扱商品は1億点以上、出店数は3
0万以上に上るそうで、経産省によれば、2013年の小売・サービス業の消
費者向け電子商取引市場規模は7.8兆円で前年比18%増だそうです。
ネット通販同士の競争激化により、出店・販売手数料の無料化や当日配送—
コンビニ店頭で商品を受領できるサービスなどが進む中で、多額の開業資金や
人手がなくても、知恵と工夫さえあれば誰でも市場に参入でき、そこそこの生
計費確保が可能な市場が開かれています。
莫大な宣伝費、人件費をかけ、高品質・付加価値商品に見せかけて市場支配
力と売上げの増大を狙う(というか価格に転嫁してそうせざるをえない)従来
型の商売に代わり、個性を生かした手作りで相対的に安価な製品をネットを通
して直接世界の消費者に届けられ、商売として成立、対抗できるようになれば、
当然、商社や特約代理店に払う中間マージンや余分な間接経費は減ります。
結果的に見ればGDPは小さくなり、デフレになっているように見えますが、
消費の実質からは無駄がなくなっています。多様な個性と需要の増大により、
これまでの大量生産・大量販売が前提とした画一的な商品の開発には限界があ
り、どの業界であれ、同じような変化が起きていて、独占輸入販売や従来型の
護送船団方式による行政指導、業界団体からの締め付けなどが効かなくなって
いるのも当然で、反面、起業やビジネスチャンスも広がっているわけです。
家電、豪華観光列車やオリーブオイルに限らず、テレビや新聞など旧来の大
規模メデイアを通した高付加価値商品の宣伝は、その実、張り子のトラなのか
もしれません。本当に質の良いものを安価に消費者に届けられる、スーパーの
価格破壊以上の可能性をネット社会は秘めています。それを上手に相互利用で
きるか否かは、情報力と感性、アンテナの張り具合の良し悪しかもしれません。
★よく言われるこうしたケース
ただ、見えていないことがあると思う
それは、モノを動かすこと
HPは自作か、業者委託で出来ました
モノは自分で作っています
ネットで1つ注文がありました
梱包しました
送り状を作りました
集荷依頼をかけました
出荷しました
クレームがありました
電話で答えました
着払いで返ってきました
モノは使えません
交換品を送りました
詫び状と粗品を送りました
企業としてある程度の生産量があると一つ一つを一人一人に出荷する
そしてその後のフォローまで というのはそう簡単なことではない
そこにはコストが発生し、良品を直接消費者に安価で届けられるだろうか
他の業種は別として、陶磁器業界はどうだろうか
問屋、商社を省き直接の商売・・・個人の作家さんであれば可能だろう
これを企業として生業が成り立つだろうか
結局、問屋さんが必要だと思う
その機能を社内に置くのか、社外なのかではないか?
確かに本来の仕事をせず、売り上げが伸びないと嘆く問屋さんの話をよく聞く
そうした既得権益にどっぷりの問屋さんは淘汰されるだろう
そんなところの利益は、ルートは無くていい
だが、特色あるモノを集め、丁寧に紹介し、細かく対応する作業は必要だと思う
食品や消耗品はまだ良いかもしれない
だけど、オリーブオイルだけを売って成り立つのか、お客様の目に触れる機会を
溢れかえる情報の中で提供できるのか
売り上げを作るには、他農家さんからの仕入れやキッチン周りなど他のモノも
店頭に出し、検索に引っかかるようにしていかないと埋もれてしまうのではないか
確かに可能性は秘めているかも
だけど、言うほど簡単な可能性ではないでしょうね