4月12日、荒川区民会館大ホールであった「鈴木愛理バースデーイベント2023 第6回あいりまにあ会」に行ってきました。第1部、第2部とも参加しました。
以下、ネタバレ注意です。

コンサートで使うホールに、グランドピアノだけが置かれたシンプルなステージ。鈴木愛理ちゃんの29歳のBDイベントは、「BABY!WE CAN DO IT!」のレコーディングに参加し、MVにも映っている荒幡亮平さんのピアノに乗せて愛理ちゃんが歌うライブでした。
最初に荒幡さんが一人で登場し、「ハッピーバースデートゥユー」をクールにアレンジして弾くところからライブが始まりました。
ピアノが聞き覚えのあるイントロになり、薄い紫色のドレッシーな衣装を着た愛理ちゃんが登場。「Yes! all my family」でライブが始まりました。今回のライブ衣装は、愛理ちゃん自身は「ポワポワ」と表現していましたが、とても可愛くて、よく似合っていました。そのままメドレーで「次もバースデーイベントの定番曲、クラップよろしく!」と紹介して「通学ベクトル」へ。最初の2曲でBDイベントに来たんだという実感が湧いてきます。

誕生日当日にライブをやるのは久しぶりだと言う愛理ちゃん。以前はお芝居っぽいこともやったけど、昨年は誕生日からずいぶん日が経ってからのイベントになったし、今回は歌っていこうと思って、今回のスタイルを考えたとのことでした。
荒幡さんとは、コロナの当初に事務所がやっていた、ピアノでカバー曲を歌う「Heart to Heart」のライブで伴奏をしてもらって知り合ったそうです。その時に歌った「見る目ないなぁ」を音源にすることになり、久しぶりに会って、少し話をしただけで録った最初のテイクが良い感じで、それがそのままCDに収録されたとのこと。その後、「記念に」と、もう1テイクとったら、それも良かったけれど「繰り返し聞くには、ちょっと重かった」ので、最初のテイクが使われることになったそうです。荒幡さんは、きっちり決めずに、簡単に打ち合わせをして、その場の雰囲気でパフォーマンスする相手としてとても相性が良いとのこと。また、「ハロプロ時代はちゃんと決まったことを、完璧にやるのが美だと思ってきたけど、ソロになってからは、その場の空気感で自由に歌うのも楽しくなってきた」と語り、歌い手としての幅が広がっていることを感じさせました。
実際、この日のライブは現場の空気に合わせ、ピアノの音と溶け合い、自由自在に歌っていく感じで、改めて愛理ちゃんの歌の上手さを実感しました。
「今日の会場、いつもと違うから、よく響くんだよ」と言って、マイクを外して声を聞かせたり、声楽の真似をして遊ぶ愛理ちゃん。歌のカッコ良さに対して、トークはFCイベントらしくリラックスし、素の感じが出ていてとても可愛かったです。

語呂合わせが好きだから、29歳で「肉だ!」と思い、「私の右側」のMVを録ったお店を借りてグッズを作ったものの、セトリを考えている時に「2、9…、つんく♂さんだ!」と思いついたとのことで、次につんく♂曲を3曲メドレーで披露しました。
「ハロプロに提供した曲は、ハロプロの25周年なので、歌う機会があるんじゃないかと勝手に思っているので、今回はつんく♂さんご本人が歌われている曲を選曲しました」とのこと。歌った後、2曲目の「TOUCH ME」について「まんまハロプロなので、絶対にMVを見て欲しい」と言っていました。
「つんく♂さんがDNAに刻み込まれている」と言う愛理ちゃん。メドレーから「Dissolution」への流れが、今回のセトリの中でも特に素晴らしく、つんく♂曲を歌い継ぐのも、29歳になった今の愛理ちゃんこそがピッタリなのでは…と思いました。
また、第1部では「ソロになってから高音域の曲が多いので、中音域の曲を増やしたいと思っていたので、このメドレーは中音域の曲が多くて良かった」と話し、今回歌うにあたって「ズルい女」のキーをどうするか考えたという話を紹介。男性の曲を歌う時は、歌詞を男性目線で歌うのか、女性側として歌うのか、両方考えられるところ、今回は女性側=「ズルい女」側で歌おうと思ってキーを決めたとのこと。「これを半音下げると、雰囲気が変わる」と言って、ちょっと歌ってみせるところも興味深く聞きました。
第2部では、「Dissolution」について「一人で歌うとエッジボイスを使う喉でやりたいなと思うんだけど、バンドでやるとそういう感じにならなくて、今回、シンプルな形でやるとそれがやれて、雰囲気が全然違うスモーキーな感じになった。みんなが自然にクラップしてくれる感じがうれしかった。つんく♂さんの曲につなげると良い感じになって、やっぱり自分の中に刻み込まれているのかな」と語り、「今回、これまでのバースデーイベントで一番音楽のことを話してる」と言っていました。
話を聞いていて、クラシックTVの清塚さんみたいに、愛理ちゃんが音楽の解説をしながら歌うライブも見てみたいと思いました。

続いてはBuono!の曲を2曲。
20周年でBuono!を歌ってきたけど、まだまだやっていない曲がたくさんあると言い、「今、歌を歌うということに対して熱があるので、歌詞が響く」という理由で選曲したと言う「Our Songs」。第1部では、当時のMVについて、眩しくて、高所恐怖症なのでクレーンが恐くて撮影がたいへんだったとのエピソードも紹介しました。
もう一曲は、「みんなにお祝いして欲しいと思って…」と「Bravo☆Bravo」をパフォーマンス。「P・A・T・I」のクラップや拍手を促して、盛り上げました。今回のイベントはピアノ伴奏で歌をじっくり堪能できる分、つい聞き入ってしまいがちでしたが、この曲では盛り上がり、お祝いの気持ちを示すことができて良かったです。愛理ちゃんは「私は欲しがりだから」と言っていましたが、一緒にライブを作って、ファンを楽しませる企画だと感じました。こういうところに、ファン思いで優しいところを感じます。
そろそろ声出しが解禁になるから、クラップだけでレスポンスするイベントもたぶん最後だから「逆にレアだと思って、楽しもう」と言うのは、さすがポジティブの伝道師。「他は声出しでやっているところもあるけど、うちの事務所がドSだから、着席、声出し禁止でやっている」と言うのも、笑わせながら各所に配慮が行き届いて嫌味がなく、感心してしまいます。

MCのトークでは話がどんどん膨らんで、第2部ではとうとう話が長くなり過ぎたために、舞台袖で「おしてます まいて」というカンペが出されたところ、そのカンペ持って来て、観客に見せるのも可愛い。「ここは、荒川区で遠いから、遅くなったらたいへん」と何度も言っていたのは、たぶん、遠征組のツイートを見ていたのかなと予想しました。
そう言いながら、結局黙っていられなかったようで、「通学ベクトル」の歌詞について「『目覚ましは 必要ないわ ママが驚くくらい 早く飛び起きちゃうもん』って小学生、中学生の頃から歌ってるけど、目覚ましは必要だよ。好きな人がいるぐらいで、早起きはできないなと思っちゃった」と唐突に話し出すのも、愛理ちゃんらしい。

一旦、セトリを決めた後、同期の菅谷梨沙子ちゃんが事務所を辞めるというお知らせがあったので、久しぶりに連絡を取って「梨沙子が残してきた歴史とか一緒に作って来た歴史を、ステージに立つ道を選んだ者として、ちゃんと歌い継いでいく」と伝えたと紹介。
同じ4月生まれの梨沙子ちゃんは「ユニットなどで一緒にやったのはダイヤレディーぐらいだけど、ファンからも『あいりさこ』と呼ばれて、同い年で違った雰囲気の二人で、いつも気にかけていた存在」だと言っていました。第2部では「同期にお疲れさまという気持ちと、別の道を歩んでいくけど、お互い素敵な女性になれたらいいなという気持ちを込めて」との言葉を添えて、中学生の時に合同ライブで一緒に歌った「VERY BEAUTY」を披露しました。
その流れから℃-uteが解散間際にアルバム曲としてリリースした「凛」を、熱量を込めてパフォーマンス。第1部では歌い終わって「この並びにすると、梨沙子のことも考えるし、℃-uteのメンバーそれぞれのこともいつも思ってるし、『夢を叶えて また会おう』という歌詞だから、ソロになってから、いつ歌っても心に響くんですよ。それぞれ、お互いに夢を叶えていこう、私もみんなと夢を叶えていこうと思って、この曲を選びました」と語りました。

イベント終盤には、抽選会がありました。BDイベントでは毎回、ツアーのスタッフTをプレゼントしているところ、昨年はやらなかったので、今回は2年分。スタッフTは有名ブランドのパクリで愛理ちゃん自身がデザインしているとのこと。2019年のバスツアーの時のグッズで「Airichandayon」のトレーナーは持っているのですが、スタッフTでは今も同じ遊びをやっていることを知りました。抽選に当たった方、もし読んでおられたら、おめでとうございます。

「20年も音楽に携われてうれしいなと思っているし、私にはみなさんが心の支えになっているので、何かあった時に、この歌がちょっとでもみなさんの支えになれるといいなという気持ちを込めて」と述べて、最後の曲は「Easy To Smile」を歌いました。曲中で「次会う時は、もしかしたらみんなの声が聞けるかもね、発声練習しといてよ」と言い、曲の終わりに、第1部では「今日からの1年、もっともっと笑おうね」と、第2部では「明日からもずっとずっと、そばにいさせてください」と述べて締めくくりました。推しにこんなふうに言われるのは、ファン冥利に尽きますね。
エンディングではいつものように上手から下手へと、客席に話しかけながら手を振ってくれました。

「29歳になっても、自分らしく歩いて行けたらなと思うの。心に素直にやっていたら、やっぱり私には音楽が必要だと思ってここにいるから、たくさん一緒に思い出を作りたいなと思ってるから、ずっとみんなのそばにいるので、今年もよろしくお願いします。まずは、ツアーがあるから、みんなのココロのオトを聞けるようにするからね」とのこと。楽しみは尽きません。

セットリスト(第1部・2部とも同じ)
01.Yes! all my family
02.通学ベクトル
MC
03.愛 Just on my Love(シャ乱Q)
04.TOUCH ME(つんく♂)
05.ズルい女(シャ乱Q)
06.Dissolution
MC
07.Our Songs(Buono!)
08.Bravo☆Bravo‘(Buono!)
MC
09.VERY BEAUTY(Berryz工房)
10.凛(℃-ute)
MC(抽選会)
11.Easy To Smile