カーボン弓 Codabow Luma その他 弓についての所感 | チェロの響き〜アマチュアチェロ弾きの備忘録〜

チェロの響き〜アマチュアチェロ弾きの備忘録〜

備忘録的に主に楽器や弦などの機材面を中心に思ったことを綴ってます。
とあるアマチュアオーケストラに所属。

コーダボウはこれまでタイトルのものを含めて3本所持してきました。今手元にあるのはLumaのみになります。

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過去に所持していたのはDIAMOND GX とDIAMOND NX です。

GX以外はすべて中古で入手したものになります。コーダボウは重心位置が総じて弓先寄りに設定されており、実際の重さ以上に弓が重く感じます。

 

弓先寄りといっても重心位置からフロッグまでの距離が18センチに設定されていて、ものの本によればチェロ弓の標準の重心位置だそうですが、私には少々先重な感触です。このあたりは好みなのでこのくらいがちょうどいいという方もいらっしゃるでしょう。別の職人さんの主張では17センチが標準だったり、16.5センチが標準だったりと、人によって主張が違っています。私にはメインボウの17センチが一番しっくりきます。一番慣れているからということもあるでしょう。

 

さて、このLuma、少し前まで新品でも10万円をきる価格で販売されていましたが、最近大幅に値上げされたようです。実売で15万円くらいと高級機のGXと大差ない価格設定になっています。幸い私は中古で安価に入手しました。

 

GX、NXを手放した一番の理由は、やはりその先重なバランスが気に入らなかったからです。弾いているとどうにも重い棒を振り回しているような感触があり操作性が鈍重な感じでした。右手も疲れやすかったです。

Lumaはどうかというと重心位置はGXやNXと同じ18センチなので先重には変わりありませんが、弓の重量が77gと軽くつくられているので、GXやNXほどの鈍重さがないのです。Lumaが現在も手元にのこっている理由がここにあります。

 

Lumaは軽量なのがウリのようです。

 

現時点で所有している弓のスペックは以下のとおり。

 

・メインボウ

 ドイツ人工房製

 重さ:80g

 重心:17センチ(重心ーフロッグ間)

・セカンドボウ

 アルシェ(日本製)

 重さ:82g

 重心:16.5センチ

・Luma

 CodaBow(アメリカ製)

 重さ:77g

 重心:18センチ

・PINO(?)

 日本製?

 重さ:80g近辺

 重心:16センチ

 

一番軽快に操作でき、しっくりくるのはメインボウです。棹の腰がとても強くいわゆる剛弓の部類なのではないかと思います。その分、音色はよく言えば輪郭のはっきりした音、悪く言えば硬い音。でも明るくくっきりと元気よく鳴るので気に入ってます。

 

アルシェは重めですが重心が手元寄りにあるため、あまり重さを感じません。しかし、操作性がメインボウにやや劣り、いわゆる「飛ばし」が少々やりにくい感じで少し疲れやすい弓です。腰は強めの部類ですがメインボウよりはややソフト。音色は柔らかい音がします。弓に重量があるためか低音の重みもあります。

 

Lumaは軽いので取り回しやすい弓です。重心がやや弓先にあるので少し振り回し感がありますが、慣れれば問題ない範囲だと思います。「飛ばし」もやりやすく弾きやすい弓です。音色はカーボンの割にはそこまで硬い音ではなく、木の弓の中の硬めの音に近い、といった感じ。腰はカーボンなので強い部類ですが、ガチガチではないです。GXとかのほうが堅かった印象です。悪くはないですが、うまく表現できませんが、やはり木の弓とは何かが違う、という感触が残ります。とはいえ微妙ですが。

 

最後のPINO(というブランドだったと記憶してます。なんの刻印もないので不明ですが)という弓は私がチェロを始めるときに楽器と一緒に買った安価な弓です。そのときの楽器はもう手元にありませんが、弓だけは「人生で初めて買った弓」としていまも手元にあります。性能は安価なりの弓ですが、安価な割に腰は意外に強めでフニャフニャではないです。

 

~おまけの話~

最近、オケの練習中にピチカートーアルコの弓の持ち替えを失敗して弓を落としそうになったことがありました。

持ち替え失敗をリカバリーしようとして右手で必死に弓をつかもうとして、弓が空中で半回転しました。ゲッソリ

今思えばよくぞ落とさなかったものだ。。。

それ以来、ちょっと持ち替えが怖くなったといいますか、失敗がトラウマになってしまっています。なので、カーボン弓は安心できる弓、となっています。チュー

 

追伸

Lumaの音色ですが、カーボンの割に硬くない、と書きましたが、なにやらやっぱり木の弓には及ばないような印象の文言になってしまいました。ですが実際には結構良い音色です。柔らかい音ではないですが、無機質とか硬質というのとは違い、音楽的に充分ありな音です。