新宿せいが子ども園見学報告の続きです。

【3~5歳クラス:2階~3階】

※現在「学童クラブ室」ではなく「座って静かに制作する場所・静かにご飯を食べる場所」で、「一時保育室」は午睡スペースとなっています。

 

3~5歳クラスでは、「縦割り」とか「異年齢」とかではなく、「好きな遊びを選ぶ結果、同じコーナーに異年齢が集まっている」環境でした。

 

朝の集まり(会)で、その日に使うスペースやオモチャをみんなで決め、その日の特別な遊び(散歩、プール、科学実験などなど)を伝達したりします。

 

ちなみに、会に「参加したくない子の席」というのがあるらしく、子ども達はそこを選んでも良いことになっています(そうして、結局は参加しているという仕組み(笑) 「自ら選んだ」ということを大切にしているそうです)

 

様々なコーナーがあり、子ども達は自由に選んで遊びます。

いろんな場所で様々な体験や、友達同士関わり合いを経験します。

 

藤森園長曰く「片付けは週末くらいかな。子どもに片付けさせたりはしてないし、片付けずに残しておいて良いスペースも作っている。片付けは、暇な大人がやればいい」と言われていました。実際、「片付けなさい」という声は一言も聞かれませんでしたが、よく見たらコーナーからオモチャが飛び出ている場面も見かけませんでした。作り途中のブロック等には名前の札が貼られており、続きができるようになっていました。

 

食事の時間になると、子ども達は2階で食べるか3階で食べるか選べます。2階はにぎやかに食べる場所、3階は静かに食べたい子がいく場所です。

給食の時間になると係の子が配膳をします。子ども達同士で「どのくらい食べる?」「3個」などやり取りをして配膳していきます。子ども達は遊びを自分のタイミングで切り上げて給食を食べに行きます。

早く遊びを切り上げれば、好きな友達と好きな席で給食が食べられます。にぎやかに食べたいけど、席が埋まってしまった場合は静かに食べる3階に行かなければなりません。3階では、食事中に大きな声でおしゃべりしたり騒いだりしていたら、注意されます。

 

「いただきます」を待っている間は、自由なおしゃべりタイムです。お友達同士、にぎやかにor静かにおしゃべりをして待ちます。

 

そしていただきますは一斉です。来ない子がいると、ご飯がはじまりません。せいが子ども園では子ども達は何かにおいて自分の考えをもって「選択」し、その結果を自分で体験していきます

 

特徴的な場所として「ピースコーナー」という小さな机と2つのイスのスペースがあります。トラブルになった子ども達が、自分たちでそのピースコーナーに行き、話し合いをするのです。

もちろん、大人が「そこで話し合ってきなさい」とは言いません。トラブルになった子ども達が自ら「話そう」と言ってここに来るそうです。(というかせいが子ども園の大人は、ほんとに静かでした)

 

そこで子ども達同士で話し合います。何が嫌だったのか、どうしてほしかったのか、など。せいが子ども園では0歳の頃から自分の考えをもって行動していくため、自分の意思を伝える機会も多く、また子ども達同士の関わり合いができる環境をつくっているため、「話し合い」ができるようになるそうです。

 

午睡は静かな部屋の3階にコットンが引かれています。寝るかどうかは自分で選べます。けっこうたくさんゴロゴロしている子もいました。

 

せいが子ども園では、大人はそれぞれの子どもではなく、各コーナーに配置します。そして大人の役割は、「何か困ったときに頼れる」存在です。遊びや環境を提供したりもしますが、基本的には子ども達が何か困ったときには助けてくれるけど、それ以外の時は見守ってくれる存在です(発達を促したり世界をひろげたりするのは、教えるのではなく主に環境として提供している)。逆に、子どもが何かしてほしいと頼んできたら、必ずそれに応えます。「甘えない」と言って突き放したりはしません。子どもが助けを求めているんだから、何かしら助けが必要なのだ、という考え方です。

 

またコーナー間の壁はなく、子ども達の荷物棚で軽く仕切られています(大人の視点からは全体が見渡せる)。声は筒抜けです。しかし子ども達は自分の興味のある遊びが選べるため、集中して取り組んでいます。子ども達にとっての「壁」はその「集中力」なのだそうです。

 

カリキュラムはあまりない(一斉保育は計画的に行われている)そうですが、英語が得意な先生がいるコーナーでは「英語でのみ話す」などがあり、子ども達が自由に選んで参加することができます。(興味ない子は来なのではないか、と思われますが、逆に言えば「興味がわいた時に来る」ため、吸収力はいいのだとか)

 

箸やスプーンの持ち方なんかも、食事中には教えないそうです。そういう遊びができる環境を提供・紹介しておき、その中で子ども達が「遊び」として習得し、食事の時に使えるようになっていくそうです。あくまで「食事は楽しい時間」に。あくまで保育園は「自発的な遊びと主体的な活動」の場としているそうです。

 

《続く》

 

新宿せいが子ども園HP↓

http://shinjuku-seiga.hoikuen.to/

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