永遠のイタリアンロリータ、カトリーヌ・スパーク・・・と書いておいて、ハタと考え込んでしまったのですが、
あらためて見直すと、意外と大人なんすよねー。身長175㎝だからってこともあるけど。この写真の当時で、
まちがいなく17歳ではあります。もともと、少女相手ならなんとか俺の好きにできるかもしれない、っていう
ロリコンおやじの妄想があるわけですが、しかしこれは、どう考えても太刀打ち出来そうにない。
よくフレンチロリータの代表みたいに言われるデビュー当時のブリジット・バルドーやアンナ・カリーナ
はたまたジェーン・バーキンなんかにしても同様で。私なんか、いきなり土下座しそうです。まあ、わが国の
ロリコン事情が特殊過ぎるということなんでしょうけれども。
ちなみに、前にも書いたと思うけど、私はロリコンではないので、くれぐれも誤解なきよう。
彼女の代表作は(と言えるくらい観てないけど)なんと言っても最初期の
「狂ったバカンス」だと思うんですが、妻子ある中年のプレイボーイが
ふとしたキッカケで知り合った若い娘に入れ込んだあげく、アプレ(死語)で
頭の軽い若者集団に引き回されたりとかさんざんな目に遭う、という、
まことにありがたい教訓を含んだお話です。ザマあねえや、と思いつつも
スパークがなにやら思わせぶりなんすよねー。これはハマっても仕方ないか
と思わずおやじに肩入れ。バカンスムーヴィーつっても、モノクロのせいも
あるのか、お話のせいなのか、あんまり明るい映画ではなくて、どちらかと
いうと退廃ムード濃厚です。
余談ですが、退廃したビーチリゾート映画のポスターって洋邦問わずどうしても
似てくるんですよね。イタリアより何年も早く製作されたやつがこれ↓
「太陽の季節」も似たようなもんです。「八月の濡れた砂」にしても
これまた似たようなもんだった気が・・・ウロ覚えですが。
さて、それにひきかえ、同じ年に製作・公開された
「太陽の下の18歳」は一転、アッパラパーのオバカ映画です。とにかく超気楽に
観れるのがいいですね。ジャンニ・モランディの歌う主題歌もいいんですが、
それ以上に大ヒットした挿入歌「ゴーカート・ツイスト」が最高。カッコ良すぎ。
わが国では藤木孝のバージョンで有名(じゃねえか)です。
あと、ちょっと特筆しときたいのが、この2作で共演してる、後にマカロニウェスタンの
スーパースターとなるジャンニ・ガルコ!若くてテカテカしてます。
どちらの作品も60年代のファッションが超クールであり、ちょっとイヤミな言い方をすると、
おそらくは、今後もそういう文脈でのみ語り
継がれるのではなかろうかと思います。これ以降しばらくのあいだスパークは
セックスシンボルとしてより、一種ファッションアイコンとしての役割を担って
いたように僕には思えます。「ダンケルク」にしても、トウが立ち始めた
頃の「女性上位時代」(テーマはセックスそのものながら)の未亡人役
にしてもそう。とにかくおしゃれでカッコいいんですね。今観てもほれぼれして
しまいます。後者なんか、ピチカートⅤがそのまま自作のタイトルに
していたり。とはいえ、リアルタイムで観てたわけでもなし、熱心なファンでも
なかったんで、(もう分別盛りの大人だった)僕にとっての彼女の出演作は
このへんまでで以降の何本かは絶対に観てるはずなんですが、残念ながら
ほとんど記憶に残っていません。作品に恵まれなかったんでしょう明らかに。
セクシー女優が年を経た後の、身の振り方の難しさを感じます。
さて、初期の彼女の主演作の音楽を担当していたのは、こちらもまだ駆け出しだった
後に映画音楽の大巨匠となるこのひとでした・・・