教えちゃう
今、福島は『いわき』に向かっております。
まさか一度家に帰るとは思わなかったぜ。
絵文字が文字化けしてて泣いた。
さて、いわき到着予定は23時23分。暇なんで、俺の数々の伝説(珍話)からひとつ取り上げて話しでみる。
『東北新幹線の馬鹿野郎』
このお話はある週末、一人の若者が東北は山形の酒田市に仕事で行くお話。
prrrr……
『おっとあぶねぇ!!危うく乗り遅れる所だったぜ……これ逃したら山形行けねぇしな。あぶねぇ……』
彼の名前は武村涼平。
職業:ダンサー
性格:めんどくさがり、適当、ルーズソックス好き。だから時間もルーズ。
武村はこの日、ダンスパフォーマンスの仕事で岩手県の酒田市のクラブに呼ばれていた。
週末のクラブは、夜から朝までやる、所謂『オール』のイベントが多い。武村が呼ばれたクラブイベントもそのオールイベントだった。
武村はダンスと言ってもチームで踊るチームダンスではなく、ソロでパフォーマンスするソロダンサーで、仕事での移動はもっぱら一人だ。
この日も武村はいつも通り酒田市までの最終の東北新幹線に乗り込んだ。時間ギリギリだったが、乗りさえすれば後は問題無い。
『ふぅ…冷や冷やさせやがって、頼むぜ武ちゃん。』
話し相手のいない武村は自分自身に話しかけ、自由席に座った。
何故自由席か?それには深い訳があると武村は言う。
『目覚まし時計が鳴らなかった。』
彼はそう言ったそうだ。ようは既に1本乗り遅れていたのだ。最終に乗れて良かったね武ちゃん!
武村は新幹線に乗ると林檎社製携帯音楽再生機で周りの音が聞こえない位の大音量で音楽を聴く。
キチガイである。
普段、新幹線では寝る事の多い武村だが、この日は違った。大音量の音楽に心踊らせていた。
新幹線といっても飛行機と違い、目的地に直行出来る訳ではない。途中にいくつかの駅に停車する。
その度に数名の人間が自分の隣を通り過ぎて行く。
東京駅から数駅目、またいつものように自分の隣を数名の人間が通り過ぎて行く。
……?多いな……
武村はふと窓の外に目をやった。
『福島』(郡山かも)
そうか、皆ここに用事があるんだな。ふん、近くていいねぇ。俺は山形だぜっ。
そんな事をおぼろげに思いながら武村は両耳に意識を戻した。
それから然程しない頃、また新幹線が停車した。
窓の外へ目をやると
『仙台』
まだ仙台か……流石山形。遠いぜ…
武村は遠目に映る伊達政宗を自身に重ね合わせ、一言つぶやいた……。
『牛タンくいてぇ…』
てかこの話し聞きたい??ちょっと自己陶酔気味になってきて不安に襲われた。
聞きたいかな?かな?
