すでに世の中で多くの人々に議論されている話題である




「不動産、購入と賃貸はどっちが得なの?どっちが儲かるの??」




に対して、巷で出回っているウソについて何回かに分けて説明していきたい。


まず、不動産投資に関する私の見解から先にお伝えすることとしたい。




それは、





一概に必ずどちらが得かという答えはなく、メリットとデメリットを定量的に比較した上で決定すべきである」





ということである。




つまり、不動産投資に対して、その前提となる条件を十分に吟味することなしに、画一的に「買った方が得だ」とか「賃貸する方が得だ」と主張しているモノの本が巷に溢れているが、これを主張する人も、うのみにする読者も、愚かにもほどがあると言いたい。




そもそも、「不動産を買う」というのは自ら使用する目的であったとしても第三者に賃貸する目的であったとしても、一定の金銭を投じて将来の利益を得ることを目的とした「投資」であって、投資の価値は投資額に対するリターンで測定すべきである。




すなわち、投資のリターンに関する条件や、他の投資対象(例えば株や債券など)との比較を十分に検討することなく、投資の価値を測れるはずがない。つまり、条件によっていくらでもリターンは変動するのだから、一概にどちらが得だなんて言えるはずがない。







一方で、上記の見解を聞いて、「なんだよく聞く答えじゃん」と感じる読者の方も多くいるはずだ。つまり、メリットとデメリットを比較して決めるなんて全く真新しい話でもないし、当然の話だと。




しかし、こういった説を採るモノの本のほとんどが、不動産の購入、賃貸のそれぞれのメリット・デメリットを挙げ、「どれをどのような判断基準で重視すればいいかを説明することなく」、終始中立的な立場をとったまま完結を迎える。そのため、メリットデメリットを分かったはいいが、それぞれをどうやって順位付けし、メリットとデメリットをどのように比較すればいいかわからないため、実際の行動に落とし込むことができないパターンだ。



これよりもひどいのが、メリットデメリットを説明した後に、それぞれの「不都合な本質的部分はあえて説明せずに」どちらかを一方的に勧めるものばかりだ。



頭の整理をしたいだけであればそういった本でも事足りるかもしれないし、ただ単に背中を押してほしいのであれば、そんなレベルの本で構わないのだろう。





しかし、このブログが目指しているのは、こうした巷に溢れる経済学のウソや不都合な部分の隠ぺいという世の中に横行する事実から自らを守り、判断していくための羅針盤を提供していくことである。




したがって、このテーマでは、不動産投資のメリット・デメリットを「正確に」把握したうえで、それぞれのメリット・デメリットが自分にとってどれくらいの重要性を持つものなのかを可能な限り「定量的に(=つまり、数字でわかるような形で)」はかる方法を伝え、メリット・デメリットの比較を定量的に行ったうえで、実際の行動に移せるようにしたいと思う。




それでは次回以降、不動産投資のメリット・デメリットについて考察していきたいと思う。

(質問・意見等受け付けます。)