銀河列車の旅~パラソル星 | ★アール姉さんのキャラクター製造所★

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アール姉さんの世界へようこそ

「次はパラソル星です
6時間の滞在となります
皆さん楽しんで
お出かけ下さい」

アナウンスが
車内に響いた
私は
灰色星に行ってから
どうも気分が沈んでいる
何もかも
虚しく感じ
悲しみが続いている
はぁ~
旅に出て
ため息をつくなんて……
なんてことだ
今回はこのまま
列車内にいようかな?
そんなことを
考えていたら

コツ
コツ
列車の窓を
誰かが叩いた

私は窓を開けて
外に顔を
そっ~と出してみた
photo:10



窓から潮の香りが
流れ込んできた
この星は
海が広がっているのだろうか?
私はゆっくり
潮の香りを
吸い込んだ
なんだか
落ち着くなぁ~
ようやく私に
微笑みがこぼれた

おい、姉ちゃん⁈

はっ
誰かに呼ばれていたの
すっかり忘れていた

窓の下を見ると
真っ黒に日焼けをした
おじさんが
こっちを見て
立っている

そうそう
姉ちゃん
俺が窓を
コツコツしたんだよ♪

しわしわの顔を
くちゃくちゃにして
おじさんは笑う

さぁ~てと
姉ちゃん
ちょっと手を
窓から外に
出してごらん♪

おじさんは
まっすぐな瞳を
私に向けた

手を窓から出すの⁇
なんで⁇
私はおじさんに尋ねたが
おじさんからの返答はない

こう⁇
仕方なく
私が窓から手を出すと
おじさんは私の腕を
強く引っ張った

ふわり
私の体は宙に浮き
あっという間に
列車の窓から
おじさんの肩の上に
舞い降りた

えええええっ
どういうこと?
ちよっと‼

私はおじさんに
担がれて
ゆらゆら揺れながら
どこかに運ばれて行く

ふふふん♪
ラララン♪
おじさんは
鼻歌を歌っている

潮風が体中に
まとわりつく
なにか優しく
撫でられているようだ

ゆらゆら
鼻歌
ふわりふわり

おかしいな
こんな状況なのに
なんだか
眠くなってきた
……
私はすっかり
眠りについた


姉ちゃん
この状況で
よ~寝れるな?
えらい
肝がすわっとる♪

おじさんの声で
私が目を覚ますと
船の上だった
photo:08



船?
海?
なんで⁇
私は絶叫する
おじさんは
そんな私を見て
楽しんでいる


姉ちゃん
もうすぐ着くから
待っててな~♪
おじさんは私に
そう言うと
ウインクをした
photo:02



おじさんは
器用に
珊瑚を避けて
船の舵をとる
その操縦さばきは
見事で
私は感心してしまった

ほれっ
これ履いとけ♪

おじさんは私に
ビーチサンダルを
渡してくれた
photo:03



もう着くぞ
パラソル島が見えてきた♪

パラソル島⁉

小さな美しい砂浜の島が
遠くの方に見えてきた
あの島が
パラソル島?
確かに
無数のパラソルが
立っているのが
見えている
photo:04


それじゃ
行くとするかぁ~♪

おじさんは船を停止させ
私を島へと連れて行く

いいかい?
ここから目を閉じて
あのパラソルの方へ
歩いて行くんだよ
いいね?♪

おじさんに背中を押され
私は砂浜を歩く
photo:09


キュッ
キュッ
歩くたびに
砂が鳴いている

ドンっ
何かが私にぶつかった

おお~
姉ちゃん、目を開けてごらん♪

おじさんに声をかけられ
目を開けてみると
私の目の前に
一本のパラソルが立っていた
photo:05



これが
姉ちゃんのパラソルさぁ
姉ちゃんはこれから
このパラソルを開いて
助けたいと願う人間を
守ってやるんだ
人間の悲しみや絶望は
その本人にしか実は
救うことはできない
だけど
側にいる人間が
出来ることだって
あるんだよ
このパラソルを
広げてやるんだ
悲しみや絶望が降る前に
君のパラソルを広げて
大切な人間を
守ってやるんだよ
何度も
何度も
あきらめず
広げてやるんだ
いいかい?
あきらめちゃダメだよ?
俺が姉ちゃんを
ここに連れて来たのも
姉ちゃんにそれを
実行して欲しいからなんだ
いいかい?
辛そうな顔をして
心を痛める暇があるなら
疲れ果てるまで
明るいパラソルを
開き続けて欲しいんだ
俺の言いたいことが
わかるかな?♪

おじさんは
私に静かに聞いた

そうだね
私の同情の悲しみの色は
安っぽい
誰かの悲しみを
救いたいなら
その悲しみを背負うことより
その悲しみを
つくらせないことが
大切なんだ

おじさん、ありがとう
私は恥ずかしくて
奢っていた自分が情けなくて
涙が出た
そして
私はおじさんに
深々とお辞儀をした

よし、もう大丈夫♪
姉ちゃんは強くなる
そして優しくなる
姉ちゃんは
本当の意味で
誰かを救えるさぁ♪

おじさんは私に
くしゃくしゃの笑顔を見せた

photo:07



パラソル星

私に真実の強さを
教えてくれた星

列車が発車する時
私は立ちあがり
敬意を込めて
ゆっくりと
お辞儀をした

シュシュシュシュ

次の星はどこだろう?