日本の核武装は数日で実現!核武装なしでは経済支援、大量の移民受け入れ、領土割譲を迫られる日が来る | 中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

今朝、元空将の織田邦男氏が講演会で、「核抑止に向け核武装を含めたタブーなき議論が必要だ」と主張されたという朝から頼もしいニュースを目にしました。

そこで以下、軍事研究家の矢野義昭氏の新書から長文ですがご紹介します。是非お買い求めください。核抑止は危険なものではなく、東アジアの安全、平和維持を安価でスピード感をもって実現できる唯一無二の選択です。

まだ、途中までしか読んでいませんが、本当に目から鱗ですし、大変勉強になりました。改めて先人の日本への命懸けの貢献に敬意を表したいと思います。


世界が隠蔽した日本の核実験成功―核保有こそ安価で確実な抑止力
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784585222583

成功していた日本の原爆実験―隠蔽された核開発史


日本の核開発の潜在能力は現在でも高い。2004年に米国科学者連盟は、日本なら核実験なしでも、「1年以内に」核兵器を保有できるとの見積もりを出している。最新の日本の専門家の見解では「数カ月から数週間で可能」と見積もられている。最新の米国の核専門家の見解では、日本なら「数日で可能」とのことである。

中ソ朝の核開発は日本が北朝鮮に残した遺産と日独の科学技術者の協力の成果だった。彼らはその事実を公開したくなかった。もし公開すれば、自国独裁政権の威信低下を招いたであろう。さらに、日本の「核兵器国」入りを認めなければならなくなる。そうなれば国連常任理事国の権利も生じかねず、中ソ朝は国際政治上も立場が相対的に弱まる。また、日米安保体制下では米国中心の西側体制を強化することになる。

米国は機密情報として、戦時中からの暗号解読、戦後の調査、尋問などを通じ、日本の核開発についてかなりの情報を把握していたとみられる。米軍は、朝鮮戦争中に興南にも数週間留まっていた。その間に古土里の洞窟の地下施設を調査したことは明らかにされている。

しかしそれならば、古土里の洞窟以上に決定的な証拠になりうる、スネルが、原爆実験が行われたと主張している、興南沖合の小島付近の残留放射能を調べ、核実験の真偽を解明できたはずである。もしウィルコックスやスネルの主張が誤りなら、米国としては、興南沖に残留放射能はなかったと公表し、否定できるはずである。

しかし、日本の原子爆弾はウランとトリウムの混合殻であるという分析までされているということは、米国は残留放射能を現地で調べ、日本の原子爆弾について細部まで情報を把握し、物的な証拠も持っている可能性を示唆している。その意味では、ウィルコックスが把握できていることは、一部でしかなく、核心的な核爆発の真偽は秘匿されたままであるといえよう。

原爆実験があったか否かは別にして、決定的な証拠があるはずにもかかわらず、戦後、一貫して調査結果は厳重に秘匿されてきたといえよう。他方で、米国も共産勢力と共に、日本人に対しては、核兵器の残虐性に対する恐怖心と非人道性を徹底的に刷り込み、冷戦体制下で反核運動を盛り立てて、日本の自立的核戦力整備への道を自ら閉ざさせた。日本の報復や反逆を恐れたためとみられる。

日本の非核化政策は、日本の安全保障面での自立を封じ、日本に対米依存を続けさせることになった。日米安保体制も米国の核の傘への全面的依存が前提となってきた。いま米政府の秘密が解除されるのは、日本の核開発黙認のシグナルかもしれない。

1990年代以降の中朝の核戦力増強により、2006年頃には米国の核戦力バランスの圧倒的優位が失われたとの認識が現れている。たとえば2006年の全米科学者連盟と米国国家資源防衛会議による共同報告では、中国が対米先制核攻撃に成功すれば、米国の被害は4千万人に上り、それに対する米国の核報復による中国の被害は2600万人にとどまるとの損害見積もりが公表されている。

同年には北朝鮮による初の核実験が行われた。その頃から、米政府内部の機密文書分析担当官だったトルバやライダーによる、米政府内部の日本の核開発に関する秘密文書の、ウィルコックスなど部外者への公開が始まっている。

対中朝核戦争で一方的に勝利できる見通しが薄れるに伴ない、米国の核の傘の信頼性は低下している。さらにプーチン政権の対中接近により、米国の抑止能力は低下している。日本に対し核の傘の提供を保証することは、米国の望まない対中朝露核戦争に米国が巻き込まれる恐れを高めることになった。

そのリスクを回避するには、体制と価値観を共有する日本の核保有を黙認し、独自の核抑止力を持たせ中朝に対する対日侵攻への抑止力を強化するのが、米国の国益上有利と、米国指導層は2006年頃に判断したのではないかとみられる。

圧倒的な人口格差のあるアラブ諸国とイスラエルの間の中東戦争の再燃を抑止するため、1970年代に米国がイスラエルの核保有を黙認した背景に似ている。


~まず目指すべき日本独自の核抑止力の保有~
日本の第二次世界大戦中の核開発努力が再認識され、日本の潜在能力が正当に評価されるようになれば、今後、日本の自立的な核抑止力が強化され、日本の国力、とくに威信、防衛力と外交交渉が高まるだけではなく、北東アジア全般の安定と平和にもつながるであろう。

まず、日米間で日本自らが「引き金」をもつ独自核の保有について、米国と交渉に入る必要がある。仮に韓国が、独自核を先に保有するか、核保有した北朝鮮に併合された場合、日本が、核保有した南北朝鮮または統一朝鮮から恫喝を受け、深刻な安全保障上の危機に陥ることになる。

たとえば、巨額の経済支援、大量移民の受け入れ、領土割譲など、日本の安全を危うくし、主権侵害する無法な要求の受け入れを迫られる恐れがある。

とくに、北朝鮮が単独で、または統一朝鮮となり本格的な経済再建に取り組む場合、日本統治時代の支配の補償として巨額の経済支援を要求してくる可能性は高い。尖閣諸島・沖縄問題で日中間の緊張が高まった場合にも、日本に対し同様の核恫喝がかけられる可能性がある。
核恫喝は第二次大戦後の主要な武力紛争や、ロシアのクリミア、ウクライナなどの侵略時にも、実際に使われ、それなりに政治的外交的な効力を発揮してきた。

日本に独自の核抑止力がないままに、米国の核の傘の信頼性が低下すれば、核恫喝をかけられる可能性は高まる。それを回避し、武力紛争を抑止しつつ日本の安全と国益を守り抜くためには、独自核保有が必要な情勢になっている。

米国が日本の独自核の保有を許さなかった場合は、そのまま依存するか、独自核を持つかという選択を迫られることになる。依存し続けるということは、上に述べた問題点を甘受することを意味する。


米国の核の傘の信頼性が低下していると判断するならば、フランス型の独自核保有に踏み切る必要がある。その場合、日本が大戦末に原爆実験に成功していたとすれば、NPT体制下でも、「核兵器国」として保証された条約上の権利を行使するに過ぎず、少なくともNPT違反を理由とする制裁は正当性を失う。

また既存のNPT体制を揺るがすことにもならない。

それでも、米国や国際社会の一定の制裁を覚悟しなければならないかもしれない。しかし結局は、上に述べたように、客観的な力関係の変化を踏まえた現実的な選択を採るしかないだろう。日本の危機に他国が自らの安全を犠牲にして、救援に駆けつけてくれるという保証はないからだ。自国を守るのは自国しかない。とくに力関係が救援を約束している国にとり不利になり、介入のリスクが高まれば、同盟関係と核の傘の信頼性はともに低下する。

ただし、フランスも同様だが、日本は米国と価値観と体制を共有する国であり、独自核を持っても、あくまでも自由民主体制の一員としての立場で、その抑止力を保持しているということに変わりはない。

その点は、明確に米国と国際社会に訴えるべきであろう。また、唯一の被爆国としての正当な自衛の権利を行使し、核攻撃の惨害を繰り返させないためのものでもあり、侵略のための攻撃的戦力保持の意思はないことも、訴えねばならない。

~将来の北東アジアにおける多国間核抑止のあり方~
日本独自の核保有を前提として、北東アジア地域の平和と安定を維持するための、新しい多国間の核抑止体制を台湾、韓国と共に構築するという選択もある。その場合も、米国との連携は欠かせない。

たとえば、台湾と韓国の潜在的な核開発・配備能力を容認し、実質的な日韓台の核抑止トライアングルを形成し、それを太平洋地域に核戦力を展開する米国が支えるという体制を構築することが望ましい。

この多国間抑止体制が構築されれば、中国の西太平洋への浸出や台湾海峡危機、尖閣危機、南北朝鮮の軍事衝突を抑止でき、中朝露による核恫喝の恐れもなくなり、外交的政治的にも危機時の死活的国益の擁護につながると思われる。ひいては、北東アジアから太平洋地域全体に至る地域の秩序と安定も維持されることになるだろう。

米国にとっても、日韓台に対し米国との信頼関係に基づき、独自の核抑止力、少なくとも、即時に機能させうる核抑止の潜在能力を認めることは、米国の国益にとり不利なことではない。そうすることにより、中朝露に対する独自の核抑止力が高まり、日韓台がこれらの諸国による核恫喝に耐えることができるようになる。

また、日韓台が自ら「引き金」を持つ独自の核抑止力を持てるようになるため、日韓台の核抑止力と米国の核抑止力のリンケージが確実に保証されることから、日米韓台全体としての核の傘の信頼性も維持される。

フランスでは独自核により西側全体の抑止力が高まる理由として、複雑抑止という理論が唱えられてきた。すなわち、複数国がそれぞれに自ら「核の引き金」を持つ独自核を保有することにより、侵略国側の、侵略した場合の西側の意思決定や報復攻撃などの反応についての予測をより複雑にし、その結果、不可測性が高まり抑止力も高まるという考え方である。

この理論に対しては、核拡散を招き、偶発的な核戦争や核事故の可能性を高めるとの批判がある。ただし、そのリスクと可能性よりも、現実の力のバランスに基づき、価値観や体制を共有する国が独裁国の核恫喝に屈するリスクと可能性のほうがはるかに高いという状況では、合理性を欠いている。

日韓台ともシビリアンコントロールの利いた安定した民主主義体制の信頼のおける国家であり、欧米諸国と同盟または友好関係にあるならば、政治のコントロールを離れた核使用、核管理の不備や核事故の可能性も低いとみるべきだろう。

また、日韓台が米国の思惑から離れて、中露に対し核戦争を仕掛けて、世界的な核戦略戦争の引き金を引くという恐れは、地政学的条件、中露との軍事力格差、日韓台の政治体制と輿論などを考慮すれば、あり得ないだろう。

また背後に地続きの核大国中露と同盟または準同盟関係にある北朝鮮に対し、日韓台が米国の意向を無視し、核戦争を仕掛ける恐れもないだろう。逆に日韓台に独自の核抑止力がなければ、米国との核リンケージの隙を突く中朝露の核恫喝に対し、国内世論や政治体制が政治的心理に屈服する可能性が高い。
もし屈すれば、日韓台の国力が短期間に、中朝露の反米的な独裁体制下の軍事同盟に組み込まれ、太平洋での覇権拡大の先兵として利用されることになるだろう。

その脅威のほうが米国にとり、日韓台の独走による巻き込まれの脅威よりも、可能性が高く、万一起きた場合の脅威度も、はるかに深刻なはずである。


すなわち米国としては、日韓台の独自核を認めることが国益にかなっていることになる。そうすることにより、北東アジアから西太平洋への中国の軍事的進出を封じ込めるとともに、朝鮮半島、台湾海峡はじめ、東シナ海から南シナ海など、域内の平和と安定を維持できることになる。

また、米国自らが通常戦力による局地戦を含む、北東アジア域内での紛争に巻き込まれるおそれも減少するだろう。日韓台は、独自の核抑止力を保有しても、潜在的な財政力、技術力、インフラ整備の基盤を持っており、そのコストに耐えうるだろう。

多国間の核抑止体制を構築する場合は、日、米、韓国、台湾との核戦略の相互調整のメカニズムも設ける必要がある。それはNATOの最高司令部内の核調整メカニズムに類似した、米国中心の多国間の枠組みとなるであろう。

ただし、少なくとも日韓台それぞれが独自の核の引き金を持つことと、目標情報の共有や共通計画の策定、事故防止協会の締結が条件となる。