2020.6.30
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私は14年前、最初に授かった赤ちゃんを、41週と1日で、死産した。
毎回順調ですと言われていた妊婦健診。
3日前の健診でも特に問題はなく、予定日も過ぎているので、もう少し様子を見て、自然に陣痛が来なかったら42週になる前に誘発分娩しようということになっていた。
朝から胎動を感じられなかったあの日。
分娩が近づくと、赤ちゃんの頭が骨盤にはまり、胎動が少なくなると、雑誌で読んでいたから、
いよいよかなと思っていた。
そして、お昼を過ぎた頃から定期的にお腹が痛くなり、待ちに待った陣痛がついにやってきたと思って、病院へ向かった。
「あれ?おかしいな、赤ちゃんの心音取れないね」
と言った看護師さんの言葉が、今でも耳に残って消えない。。
死産の後、全ての希望を失い抜け殻のようになってしまった私たち。
使うことのなかったベビー用品だけが残った虚しい部屋。
寒い寒い冬だった。
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年が明けて少し経った頃、旦那さんが
「犬が欲しい」
と言い出した。
私は元々、特別動物好きではなかったし、ワンちゃんと赤ちゃんは別だし、あまり乗り気じゃなかったけれど、2人で吉祥寺のペットショップに見に行ってみた。
それが、ハッピーとの出会いだった。
だっこすると、すごくすごくあたたかくて、小さくて可愛くて。。。
光を失ってしまった私たちの元にやってきたワンちゃん。
この子が幸せを運んできてくれますようにと、
『ハッピー』
と名付けた。
それから13年半。
いつもいつも一緒にいて、家族みんなをたくさん癒してくれた。
その間、我が家には3人の子供が生まれたり、ハッピーは病気で大きな手術を2回もしたり、5回も引っ越しして、私たち家族をとりまく環境がいろいろ変わったけれど、
いつでもそばにいて、そっと寄り添ってくれていた。
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そんなハッピーが、私が入院して1週間が経った頃から体調を崩し、肺炎とのことで受診して薬を飲んでいたが、6月30日の朝に急変した。
旦那さんが早朝病院に連れて行ってくれたけど、到着した頃にはもう虫の息ほどで、まもなく旦那さんの腕の中で逝ってしまった。
病室でテレビ電話を繋ぎながら、亡くなる直前にハッピーに
「ありがとう」
と伝えたけれど、その声が届いたかどうかはわからない。
私はそばにいてあげることも、声をかけてあげることも、最後に抱きしめてあげることもできなかった。
先にいなくなってしまうことはわかっていたけど、必ず看取ってあげると決めて迎え入れたはずなのに。。。
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現在、ハッピーがお空に旅立って、7ヶ月が経った。
いつでも足元にまとわりついていたハッピーのいない毎日に、今でもまだ慣れなくて、時々、そばにいるような感覚に陥ることがある。
あの時私が入院していないでそばにいてあげたら、もっと早く異変に気づけただろうか。
私がいなくて最後の数日寂しい思いをしたのだろうか。
今でも看取ってあげられなかったことが悔やまれてならない。。
でも、私たち家族は、ハッピーが、自分の命と引き換えに、私のお腹の赤ちゃんの命を助けてくれたのではないかと信じている。
りょーちんの命は、ハッピーにいつも守ってもらっているのだと。。