原題HUGOってこれじゃあ地味過ぎてお客さんが入らないから変えたのはわかるけど、
特に発明もしてないし、やったことは機械を直しただけだから適切ではないと思います。
チラシを見る限りは主人公が少年で、なにかしらの冒険をするんじゃないかなと想像してしまうけど、
だからといってどこかへいくわけじゃなく、駅と駅の時計台の中とたまに近所に外へ出かけることしかしなくて
これまた地味で、冒険、アドベンチャーでわくわくしたいと思ってもそこまで期待に答えてはくれないような気がします。
ハラハラする場面はあるにしても、夢オチだったり、保安官から逃げるという決まり切ったパターンが繰り返されたりして、新しい場面展開が少ないからこちらの面でもがっかりしてしまいました。
台詞に関しても、面白い会話が聞けるわけでもなく、あんまりグッとくるものがなかったですし、
全般的に普通の会話で大きく変わったものがあるわけでもないので、つまらない感じがしました。
しかし、この映画全部がつまらないかといえば、そうじゃなく、良い場面もあるし、3Dのテクニックの使い方等素晴らしい面もありました。
アカデミー賞を受賞しただけあり、映像面は3Dの活用の仕方がうまいと思います。
3D映画の表現の特徴で一番大きな面は奥行を観客に理解してもらうことができることだと思いますが、
高さ、距離感、広さをそれぞれ必要に応じて使い分けられているのは映画を多く撮り経験を積んでいる監督だから出来ることでしょう。これは舞台設定がうまくされているからうまく表現できたように思います。高さは時計台の中、距離は駅にいる人や列車、広さは駅というそれぞれの舞台が3Dの表現に対応していたからこそ3Dの魅力を引き出せたのではないでしょうか。
3D映像も見どころですが、一番のポイントはジョルジュメリエスの半生の部分でしょう。
というか、この部分だけに絞って映画を作った方が良かったのではないかとさえ思いました。
歴史最初の映画を見て感動し、自らカメラをつくり、撮影所をつくり、夢とイマジネーションを表現しようとした姿は映画を好きな方なら感動出来ると思います。もしこの方がいなければ、映画は物語を見せるものではなかったかもしれません。そう考えると映画にとってどれだけ重要であり、偉大であったかは計り知れないところです。
途中で映画黎明期の作品が見れるところも貴重な体験でしたし、それを3D技術を使用して見せてくれる時点でこの映画は価値があると思います。
時代の流れにより映画製作に挫折し、しがないおもちゃ屋さんをするしかなかったメリエスが最後みんなに迎えられ、そこで話すことは映画の本質であり、私達は映画に夢を見せてもらい、そのことが人生を生きる励みや糧になっているのではないでしょうか。
水野先生の名文句「映画ってほんとうにいいものですね」を新ためて確認させてくれる良い作品だと思いました。