rhのブログ -54ページ目

記憶の糸を

ぐしゃぐしゃの雪が靴の中まで入りこんで、

足の指先が、かじかむくらいに冷たくなった出勤途中に、

ふと、子供の頃に読んだ本の内容が頭に浮かんだ。



舞台は雪国のとある町。

商店が居並ぶ通りの一角で、

少女がワラで編まれた長靴を売っていた。(なまはげが履いてそうな靴ね。)

その長靴は少女が心を込めて一生懸命編んだものだけど、ひどく不格好だった。

その不格好さ故に、しばらく誰にも相手にされなかったものの、

やがて一人の男が買っていった。


買ってもらえたことが嬉しかった少女は、

もう一度、一生懸命に長靴を編み始める。

出来上がったものは、やはり上出来とは言い難かったけれど、

それでも同じ男がまた買っていってくれた。


そういうやり取りを男と幾度か繰り返したある時、

少女は気になり始めていた事を尋ねてみた。


“あの、オラが編んだ長靴、すぐに壊れてしまいますか?

何度も買わせてしまって、なんだか申し訳なくて・・・”


男が答える。


“アンタが作った長靴はとても丈夫だよ。暖かいと仲間内で評判なんだ。

だからこうして毎回買いに来てる。”


仲間内で評判、というのは本当だったのか、

少女に会いに来るための方便だったのか、

そのへんは定かじゃないけど、やがて二人は結婚することになる。



そんな話。


書きながら気付いたのは、

これは本で知ったんじゃなくて、

おそらく小学校の教科書に載っていた話だということ。

この話のタイトルは思い出せないけど、

頭の中にある本棚の、スイミーと同じ棚番に置いてある。(笑)


だとするなら知ってる人は意外と多いのかも?

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