あの人の活動や、それに関する情報を聞くだけで
体が反応する

血の気が引いて
力が入らなくなる

共通の知り合いから
ラインで連絡が来た

「今度、彼のイベントがあるんだけど
有名な方も来るし、一緒に行かない?」

その一文を見た瞬間
胸がぎゅっと締めつけられて
息が浅くなった

また、あの感覚が来ると思った

これまでにも何度か
ふとしたきっかけがトリガーとなって

パニック状態や
過呼吸になったことがある

今回は
動悸と冷や汗だけで済んだけれど

それでも、十分にしんどかった

「最近(彼の)イベント行ってる?」と聞かれて
咄嗟に「行けていない」と答えた

本当は
“行っていない”じゃなくて
“行けない”だったのに

彼は今も変わらず
その場所にいて
人を集めて

何事もなかったかのように
日常を続けているのかもしれない

私はというと

仕事を辞めて
彼の家族や弁護士と向き合って
自分の家庭と向き合って
痛みと向き合ってきた

同じ出来事を通ったはずなのに
こんなにも違う場所にいる

私が弱かったのか

それとも
私がこの苦しみを
全部引き受けてしまったのか

あるいは

彼は「守られている」のか


そんなはずはない彼もきっと苦しいよなぁ

と思いながらも
そう感じてしまうほど
私は混乱している

ただひとつ言えるのは

あの出逢いは
人生を変えてしまうほどのものだった
ということ

綺麗なものだけじゃなくて
壊れるほどの痛みも含めて

忘れられない

時間が経てば癒えるなんて
そんな簡単なものじゃなかった

2年近く経っても
まだ心は揺れている

夢にも彼は出てくるし
思い出して泣くこともある

それでも

私は確実に変わった

あの頃とは
同じ場所にはいない

誘いに対して

結局、私は

「都合が合わず、今回は見送らせてください」

と返した

本当の理由なんて
言えるわけがない

彼とは別れていることも
今は物理的に近づけないことも

二人のことも
私の中で起きた変化も

何も知らない人に
やんわり説明できるようなものじゃなかった

(彼のいる場所の近くを車で通らなければならなかったとき
 それだけで呼吸が乱れて
 事故を起こしそうになるほど
 パニックになったこともある)

ラインで返信したあと

少しだけ、ほっとして
少しだけ、ざわついた

たぶん

本当は、ほんの少しだけ
会いたい気持ちもあったんだと思う

でも

体は正直だった

あの連絡を見た瞬間の
締めつけられるような感覚

あれを無視してまで
向かう場所じゃない

「行けなかった」じゃなくて

「私は彼と会わないことを選んだ」

そう思い直してみたら

ほんの少しだけ
自分の足で立てている気がした

彼はきっと

これからもあの場所で
人と関わっていく

たぶん…

私は

もう同じ場所には戻らない

でも

いつか
全く違う形で
また交差するのかもしれない

それはまだ
神様にしかわからない

ただ今は

自分の心と体が
「こっちじゃない」と教えてくれた方向を

ちゃんと信じてみようと思う

それが

あの出逢いを
なかったことにしないで

それでも
自分を守るという選び方だと思うから

“今の私”が
ちゃんと感じていること

怖い、苦しい、切ない、でもどこかで気になる

その全部を否定せずに
ここに置いておきたい

そして

もしかしたら、いつか

どこかでまた会うのかもしれない

そう思ってしまう自分も

もう、否定はしない