今日はあまりいいお天気ではありませんが、雨が降っているわけでもありません。
今朝、目に入って来た訃報。
この人の作品、とても個性があって好き嫌いがあるとは思いますが、私はとても好きです。
以前にも書いたと思いますが、私は見るなら、絵画よりも彫刻の方が好きなんです。
なぜかわかりませんが、彫刻の立体感や質感に、とても興味惹かれ、360度隅々までじっくり見たくなってしまいます。
この舟越さんの作品はとても個性的で、見方によっては奇妙ではありあますが、私にはとても魅力的で美しく存在感を感じるんですよね。
72歳で亡くなったとは・・・やはり早すぎますね。
まだまだ年老いてからの作品が見たかったです。
でも、作品は永遠に残りますから。
そして、私は舟越桂さんのお父さん舟越保武さんの作品も凄く好きで。
桂さんとは全く違う作風ですが、この方の作品は、とても美しくリアルで見るものの目をくぎ付けにします。
私の中のイメージでは、静かで凛として内に秘めた想いに、いつの間にかグッと心をつかまれて離さないような・・・。
兎に角、強い想いを感じる作品なんです。
それは、彼がカトリック信者であったこともあるかもしれません。
特に、長崎の「二十六聖人殉教者像」は彼の代表作で、今最も見てみたい作品です。
桂さんと保武さん父子の作品で共通する点は、静かで無言の表情の中に、その人の命や思いを強く感じるところです。
無音の世界ではあるけれど、だからこそ、強く惹きつけられる存在感が私には感じられて、いつまでも見入ってしまう。
この感情は、私が仏像好きなことに共通しているような気がします。
見ていると、動けなくなってしまいそうな感じ。
言葉では説明できない感情と感動が体中一杯になって、自然に涙がこぼれてしまう。
私、最も苦手だった立体ですが、心動かされる作品は彫刻なんだと、改めて感じます。
心から、舟越桂さんの安らかなお眠りをお祈りいたします。