あれはたしか1991年ごろでした。
かつて全日本選手権を2回制覇した谷野選手。
題名の腹筋でタオルを挟むのは見ていませんが、ジムの知り合いは何回か見たということです。
ジムでは、よく15キロプレートを頭の後ろに持ってシットアップをしていました。
自分が見たのは、谷野選手の脚のカットでした。
たしか東京クラス別を優勝したばかりだったと思いますが、谷野選手がジムでストレッチしていた時、脚に力を入れたとたん・・・
大腿4頭筋のカットの溝が深すぎて驚いたのを覚えています。
なんと、指の第1関節が埋まるくらいの溝が4頭筋の真ん中にあったのです!
後にも先にもあれだけ深いカットを見たのは谷野選手だけでした。
そして、東京オーバーオールに出場するというときに、ジムで体を見ると失礼ながら自分とあまり大きさは変わらないんじゃないか?と思っていました。
同じジムにも東京オーバーオールに出場する選手がいて、その選手はとにかくデカくて谷野選手の1.5倍くらいあるんじゃないかと思うくらい(笑)デカい体をしていました。
しかし、
大会当日会場で目にしたのは・・・
ジムでデカい選手は絞りが甘く、まったく目立たないのです。当然予選落ちでした。
一方、
谷野選手はと言えば、バリバリのスーパーカットで、どの選手と並んでもほかの選手が甘く見えてしまうのです。
おそらく70キロ切っていたのではないかと思われますが、まったく細く見えないのです。
あれだけ深いカットだと、照明が当たったときの見え方が尋常ではないですね。
どんなにデカい選手と並んでも谷野選手のほうがよく見えてしまうから不思議でした。
結局優勝は黒人のピーターキマニ選手、2位は同じ中野ヘルスの有賀選手でした。
有賀選手は確かにジムで見てもデカくて仕上がりもよかったのですが、ステージ上では谷野選手が2位でもおかしくはなかったと思います。
有賀選手はデカいのですがプロポーションが谷野選手に比べるとウェストが太く見えてしまい、見劣りするのです。
一方、谷野選手は全身深いカットとともにウェストが細いので見栄えがいいのです。
ちなみに翌年は谷野選手が優勝しました。
谷野選手は全日本で活躍してからも、決して大きい選手ではありませんでしたが、プロポーションと仕上がりが抜群だったので2回優勝できたのかなと思います。
あそこまで掘りの深いカットが出せるのは持って生まれた遺伝的素質ではないでしょうか。
普通の人はどんなに頑張ってもあそこまで仕上げるのはまず無理でしょう。
ボディビルというとどうしてもバルク、大きさに目が行きますが、大きさは無くても最低限のアウトラインと異次元のカットがあればかなりのレベルまで行ける、といういいお手本だったと思います。