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東京は見ていて面白い。それはその見た目である。存在する複雑な物事の関係性も面白い。狭くてすべてのスケールが小さい東京において、そのごちゃごちゃした中から仕方なく近接してしまう事で生まれる滑稽な姿とか。そんな楽観的な期待。そんなのが在るからだと思う。
自分にとってそれが面白く感じるところは自分が近未来的な映画のような風景を見ているのが好きであるからと言う主観的な事も大分あると思う。ブレードランナーとか、甲殻機動隊、みたいなそんな風景だ。東京のあり方が悪い良いという客観的なものでははく、自分はとにかく東京の乱雑した、小汚い姿が好きである。
特に色のグラデーションの様に変わる街の風景を自転車で抜けていくのは面白い。六本木の展望台に上って、上から街を見て、有機体のように延々と続いて存在する東京の姿が面白い。そう思うのはそんな事を実感するからだと思う。遠くを見ると、「あ、横浜のランドマークタワーだ。」なんて気付く。
電車(特に地下鉄)に乗ること多い自分としては、東京という街の中の地域みたいなものに連続性を感じない事が多い。それは車に乗らないという地理感覚の薄さからかもしれないけど、このアメーバみたいに広がる街のの中には明らかに、渋谷、池袋、新宿と、ディストリクトが存在してる。NYマンハッタンとかロンドンとかに街の区域の名前がある様な明快な線は特に東京には存在しない気がする。それはどうしてなんだろう?
確かに地図は正確で、それに書かれた様に東京が肉体的に存在していると言うのにその事実は今でも信じがたい。