こんにちは!りょうです。

『木挽き町のあだ討ち』(永井紗耶子著)読了しました。




あらすじ(Amazonより)ーーー


疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。

語り草となった大事件、その真相は――。

ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で今もっとも注目される時代・歴史小説家による、現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!

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第169回直木三十五賞

第36回山本周五郎賞

このミス8位です。


全部で6章に分かれているんですが、全章泣けます。びっくりしました。

江戸時代の話だし、お話の中に入り込むまで時間がかかるかな?と心配していたんですが、余計な心配でした。

あっという間に世界に引き込まれて、読書開始から15分くらいでもう目がウルウルと…。

え、、どういうマジック⁉️


あらすじとしては、木挽町であだ討ちがありまして、それを目撃した人たちの証言を聞いて回る話なんですけど、目撃者の自分語りが深くて心抉られます。

私は親子ものに特に弱いので第四場で涙腺崩壊しました。

なんか雰囲気でなんとなく察していたけど、実際にそのくだりがくると、もうダメだ…って感じで会社の昼休みに涙流しました😭😭😭


全体的に、さすが直木賞&山本周五郎賞だな、という面白さ・奥深さではあるんですが、ただ、このミスと言われるとどうかな?という感じです。

大体ミステリを読み慣れてる人たちは第一章で泣きながら、心のどこかにいるミステリファン魂の部分が冷静に「あ、もしかして…」って思うと思います。

だから、最終章でもミステリ的な驚きとか快感とかはないんですよね。

ただ、各章で語られる皆んなの過去の話の中で、ハッとさせられる部分が多くて、そちらの方が面白かったです。

私は、焼き場で育ったほたるさんが、「どんなに威張ったって骨になっちゃえば皆んな同じだよ!」って思いながら生きてきたのに、本当に良くしてくれた恩人が亡くなった時に感じた、骨でも違うんだ。何か残せる人がいるんだ!って気付く場面がすごく心に沁みました。

そういう場面を描き出すのが本当にうまくて、感動しましたね。

同じ作者さんの他の本も読んでみたいと思いました。


あ、でも一回ガチガチの本格挟みたいかな(笑)


以上。