以前そういえば、「日本に住んでいた」系の日本人批判について、いまいち根拠に欠ける件を書いた気がしますが。

どうにも日本人は人種差別そのものには鈍感ですわ。

 

鈍感な理由は、国内に明確な人種差別がないからなんですが、そもそも縄文人の頃から日本人ってのは融合・融和により一つになる方向性を持っているようでして。

他の民族では「自分と異なるものを排除する」方向性を持つ中、受け入れて溶かし込んでしまう縄文人ってのが如何に特殊なのか、それが日本人の根源にあるとすれば。

 

日本人は人種を差別する事はないわけです。

でも、他の国ではそうでもないということを理解しておかなければいけないのですね。

ちなみにKKKを代表とする黒人差別の根底って、どちらかというと危険な基督教的思想だと私は思うんですけれどね。

基本は宗教問題じゃないの?

とすれば、当然宗教すら融合・融和により自分のものにしてしまう縄文的思想からいえば、そして神話が生きる日本という国においては問題が全く異なってくるというスタンスについてご理解いただかなければいけないのではなかろうか。

 

と思うのです。

特に原作もちの実写化にうるさい日本のNerd連中(私含む)は、原作至上主義者の如くストーリーや外観にうるさい訳です。

見た目が原作通りってだけでも褒め称える、そんな文化の中、骨格や肌の色が異なるのは批判の対象になるのです。

 

ただね、この考え方って正直あまり文化人には知られていないと思うんですね。

またハイソサエティ系の方々にもこれらは知られていないと思います。なんというか要するにサブカルの世界における常識、って奴でしょうね。

例で言えば日本人が忌避した実写版としては

 

 

 

逆に原作へのリスペクトを多大に感じ、比較的好意的だったものも有るわけで。

 

 

この作品の差を、しっかり知っているのであれば、今回の騒動についての理解を得るのは難しくないと思う。

 

ロード・オブ・ザ・リングといえば中つ国の冒険。

エルフとホビット、ドワーフなどのデミヒューマン達は、すでによく知られてしまっているため、新たな設定を付与していない限りそのように知られている外観でなければいけないだろう。

黒人を起用したことへの海外の方々の非難は果たして人種差別なんだろうか。

どうしても実際に存在する人間、役者が演じる限り、実写版はアニメとは大きく異なる。

アニメでは記号化したキャラクタを作成することができ、声優はその記号をリアリティある存在へと昇華できる。故に、声優の声の演技もまた、当然のように非難の対象となる。

昨今の推し問題でいえば「解釈一致」という表現でこれが語られるであろう。

 

 

その視点で言えば、果たして原作のアリエルを見て、今回のアリエルで気にならないだろうか。

ちなみに私は、顔つきは欧米のアニメっぽくて良いし、声もキレイだとは感じたものの、先に見ていたロード・オブ・ザ・リングの話があったので「なんだかあえて肌の色で選定して、人種差別に対する政治的理由がありそう」だとどうしても引っかかってしまった。

 

ちなみにエルフなどの設定では、悪に染まった悪いエルフは肌が黒いとされている。

中つ国への日本的な解釈として、多大なリスペクトを持って作られたソード・ワールドにおいても、リプレイ中あまりに詐欺的・狡猾なプレイをしていたエルフ「スイフリー」はおしろいを塗ってるだのつけ耳だの言われていた。

エルフの原点であるゲルマンなど北欧の民族はほぼ白人。エルフの基本はおそらく白人であろう。

幾つかの絵画を見る限り、肌が白く白人の姿をしているようにも見える。

北欧神話中にも、彼らエルフと対立する存在として闇のエルフ、ダークエルフなるものがいることも示唆されている。

多分それが、一番問題視されていることなんだと思うけれど……日本人じゃないので人種差別についても示唆されてるんだろうねぇ。

 

アリエルについては、日本人はあくまでも前述した「解釈不一致」で毛嫌いしてるだけだと思う。

原作通りのキャラクタにして欲しいだけなんだと思う。何故なら、日本人は人種差別そのものを知らないからだ。

それは私自身にも言える。そもそも宗教的に肌の色がどうだろうと関係ないからですね。

ただ好むか否か。そして、原作と同じか否か。

 

だので、そんな回答しかしない日本人に対して「人種差別をしてほしくない」と言われてもお門違いではなかろうか。

むしろでは「人種差別とはなにか」、明確に語るべきであろう。

ちなみに肌の色を変えてしまえば、モンゴロイドは骨格の大きな差程度しか理解できないので、別段問題はないだろうけれどそれが差別なんだろうかね?

 

何にせよこのあたりは繊細なことなので、日本人としては色々気にしたほうが良いんでしょうね。