単純に、周波数が高いか低いか……なんですが。

高周波と聞くと色んな印象あるとは思うんですけれど、性質としては
・直進性が強くエネルギーが高い
ここで言う直進性とは、回折等周り込むエネルギーが少ないと言う事。レーザーとかを思い浮かべれば判るかと。
エネルギーは後述。
・減衰しやすい
レーザーもそうですが、周波数に近いサイズのものに共振現象によりエネルギーを与えてしまうので、高周波は周波数によるもののあまり長距離を飛ばすのに向かない。
ただし閉じ込めは比較的容易とも。
電子レンジを見れば、ドアにメッシュが入ってる筈ですが、アレがフィルタになっています。
高周波は、謂わば物凄い速度で揺さぶる様なモノで……重いものは動く前に逆方向の力を受けるので動かず、軽い物しかエネルギーを受けられない訳ですね。

低周波は逆ですねぇ。
特にメッシュで切ろうにもメッシュサイズが周波数依存の為、物理的に抑える事が出来るかどうか正直疑問です。
何せ回折して浸透してきますからね。

音の世界も同じですが、こちらはちょっと事情が異なります。
波には縦と横がある事は聞いた事あるでしょう。
横波は謂わば柔らかい物を左右に揺らす様なイメージで、ゆっくり伝わって行きます。
縦波だと、ガツンと圧縮した力が伝わるイメージです。
地震を見れば、まず縦波、次いで横波と伝わると言われます。
音波は縦波になります。この為密度の高い物への伝達・浸透は早く減衰しづらい物の、空気中の様な密度が低いとこでも伝えられると言う点が特徴的でしょう。
更に、単純な事で圧力波が発生すると音として認識できます。
花火の破裂音や拍手なんかわかり易いですね。

で。
波にはいくつか性質が有りますが、引き込みや共振、合成などは理解しておく方が良いでしょう。
例で挙げれば、最近流行りのノイズキャンセラーは逆相の音波を同時に入れる事で達成してますよね。
昔サラウンド機能で近い事を実現し、右側と左側の音をより明確にするという商品も売られてました。
どう言う事かって言うと。
波は重ね合わせて打ち消す事が出来ると言う事と、重ねても波の伝達を止めることが出来ないと言う事です。

そして、そう言う圧力差の伝搬が音として伝わるなら、エキゾーストノートとは何か?
辿るなら、排気ポートの開閉、更に各気筒からエキマニに伝わる物でしょう。
エキマニのプライマリ内部では、圧力の濃淡が発生してます。
各気筒ごとずれて集合部に到達します。
等長等長と騒ぐのは、この圧力波の到達が同時間であるという仮定が有りますが……稀にパイプレイアウトや温度による差が生じる事もあり100%は難しい事も有ります。
そう言う例外を除き、集合部での圧力波が綺麗に揃う事が目的で。
或る気筒から圧が届いた際、他から発生した圧を引っ張る流速・負圧として利用するものこそエキマニだと言えます。
この為、わざと長さを変えると圧が高い部分と高い部分が重なってドコドコ鳴る訳だし、巧く揃えるとつながって聞こえる様になると。
3気筒はそもそも爆発から爆発までのサイクルにやや間が有るのでそもそも音は繋がりません。
つまり、エキマニの効果が低いと言えます……それが、軽乗用の『認識』として捉えられてる節があります。

さて、先程高周波はエネルギーが高いと言いました。
サインカーブは実は円の回転運動の一側面を捉えた物なので、高周波はrpm高いんですね。
クルマなら、低い回転数より高い回転数の方が、単位時間辺りの圧力変化が多くなりますね。
エネルギー総量は高回転の方が高いのが感覚的にはわかり易いと思います。
更に、高周波だと有る部分だけ見れば凄い速度で行ったり来たりする訳です。
速度の速さは音に直結する筈ですね。

これら高音の成分は普通にグラスウールやらで減衰します。
ですが低音は消えにくい訳です。なので、音を消せば消す程、通常は低音に近い印象になるし、排気量が増えればその分低音に近づく。

車検対応マフラー径はそもそも太く低音が響く構造が殆どです。
稀にテノールからアルト寄りの音も有るには有りますが……ソレは残りの要素が関係すると思っています。
つまり、第一の要素が『高回転型エンジンであること』であり、他に複数要素があると言う事です。