電車やバスなどにおいて必ずといっていいほど設置されている優先席。お年寄りや身体の不自由な人、妊娠されている方、小さいお子さんを連れている方に席を座ってもらおうという目的で、その席数は多からずとも優先席がどの車両にもある。私は優先席設置の目的と、手段としての優先席というテーマで少し考えてみたい。

ある日いつものように優先席ではない椅子に座っているとホームからお年寄りの方が私の反対側の満席である席の前に立ち止った。するとサラリーマン風の中年男性がにこやかにどうぞと席を譲った。心が温まるよくある光景である。

この経験で思ったことは、優先席でない席でも必ずしもそうなるとは限らないが優先席になりうることである。そこで、本当の目的は少ない優先席を置くことによって、大多数の席に座る全ての人の意識の中に優先席でない席でも「譲るという温かい気持ち」をわずかでも思い起こさせることであって、ただ単に優先席だからといって譲らせるような無機質な制度として設置したのではなく、ささやかな気持ちを喚起させようとする制度なのではないか。だから、優先席に優先対象者ではない人が座っていて嫌々優先対象者に譲るという行為は望まれてなく、そこの機微が読み取れる人が一人でも増えるように設置された心遣いの賜物なのではないか。
全ては「気持ち」であって、譲るという行為の中に「事務的な手続き」はいらない。譲ることだけが目的ではなく、そこには「温かい気持ち」を喚起させる日本人ならではの心の機微を垣間見たきがする。




日系の格安航空会社(LCC)が3月1日より始動する。これにより国内航空業界は一気に価格競争に突入し、早くも消耗戦の様相を呈している、と今日付けの産経新聞が報じている。

価格破壊とは、web辞書によれば「企業間の激しい競争による徹底したコストダウンの結果、ある製品の価格が急速に下落していく様子を意味する言葉。例えば衣料品 (ユニクロ )、ファーストフード (マクドナルド 牛丼 など)、眼鏡 (JINS、Zoff 、Owndaysなど)、英会話 (eラーニング )、パソコン など。」とある。

大事なことは後で述べるにして、とりあえず価格破壊とは単純に日本のGDPを下げる。
LCCの社員と消費者との視点に立ってすこし考えてみると、LCCの社員からすればもらえる給料は国内大手航空業界の社員とくらべ少ないだろうと簡単に予測することができる。
それは大手の方が利益率は高く、その分を人件費などに充てられるからである。
もちろんこれは悪いことではなく、日本全体の付加価値をあげているためGDPに貢献しているといえる点においてはむしろ良い事だ。
それに給料を多くもらえれば消費が増え日本経済も潤う。問題は今の日本では円高、震災、欧州危機に直面し内外ともに景気が低迷している点だ。
価格破壊の背景にはこういった問題を受けている事は周知であるとおり、この時代を生き抜くために企業がこうした戦略に目を向けるのは至極当然のことだといえる。
例えばあるLCCのオフィスにはリサイクル業者から購入した不揃いの椅子や机が並び、コピー機には白黒印刷を促す注意書きがはられているという。もちろん航空業界に限ったことではなく、今やどの業種、業界にも言えるまでになってきているのではないか。

どうも今や人が時代を読みコストダウンするのではなくて、人が時代によってコストダウンを強いられているようにしか私には見えない。能動ではなく、受動。たしかに環境要因があるため受動的なのは当たり前なのだが、受動的態度から能動的態度に徐々に転換させていかなくてはならない。

はじめは転んでしまった。
人に手を貸して貰った。
はてさて、その次には自分の手で起き上がらなければならないのだ。

時代は変わる、その時受動的な態度でいたらどうなる。人に背中を支えてもらっていて急に手を離されたらどうなる。小学校1年生でもどうなるかわかる。この受動か能動かというささやかな意識の違いが時代の流れとともに大きな分岐点となるのである。

この徹底したコストダウンに対する一人ひとりの意識の問題である。この一点に限る。というよりこの一点でしかない。コストダウンとはあくまでこの時代を乗り切る手段に過ぎず、コストダウン自体を自己目的化してはいけない。受動から能動へとシフトチェンジすることを認識する作業が必要なのである。まだまだ経営の知識は浅いが、私としてはそのことを強く主張したい。広い視野を持って未来へパスしなければならない。自陣からシュートを放ってもゴールを決められるのは困難だ。まずは目の前にある壁をチームワークで乗り切り最後にシュートを決める。その先のゴールを意識するからこそパスの精度や角度などが重要味を帯びてくるのである。
コストダウンする企業は今一度能動的になってその先にある目的について議論する必要があるのではないか。








皆さん始めまして。To-kyo-toです。ニックネームなんてなんでもいいので特に意味はございません。

このブログは「手段と目的の逆立ち現象について扱う」というシンプルなコンセプトで始めていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

かくいう私の目的は人生においてしっかり定めた目的を意識し、そのための手段を自己目的化しないためにブログを書き、再確認しようというものです。本末転倒しないよう頑張りたいと思います。