Kバレエ「カルミナ・ブラーナ」を観劇。
段違いの素晴らしい舞台だった。
反逆的、挑戦的、かつ官能的。ダンサー、歌手たち誰もが素晴らしく、とりわけ主役の飯島望未さんと熊川哲也さんは圧倒的だった。
哲也さんの踊りを生で観たの25年ぶりぐらいかな。放つオーラがエグい。
賛否あると思うが、感想を残しておきたかったので…
どの時代にも悪魔の所業が存在し、それに巻かれるものや祭り上げるものがいる。当然許されることではない。
悪は悪だ。
一方で、自分は違うと正義然としても、違う場面では見て見ぬふりをしたり黙認してしまうことがあるのもまた事実。
誰の中にも悪魔は存在し、大なり小なりの罪を背負っているはずだ。
そんな自分の中の悪魔が姿を見せぬよう、過去から学び、危うさを自身に刻むより他はない。
前回公演ではアドルフは男性が演じたが、
今回の公演では女性が演じることで、少年であることが際立った。
どんな悪人にも子ども時代があることで人間という生き物の愚かさと悲しみを感じる。
この作品では、アドルフを生み出した悪魔を総監督である熊川氏自身が演じたことに大きな意味があると思う。
自分自身も含めた皆が悪魔になりうる危うさを持っているということを体現してみせたように感じた。
賛否の否は、アドルフのナチ敬礼に対してなんだろうが、決して肯定的に用いているのではないことは明らか。
人間が陥る最悪な例、象徴としておくことで、今という社会に強烈なメッセージをおくっていると思う。
どこかの観光写真で悪ふざけでやるのとはわけが違う。これがダメというなら逆検閲なのでは?と思う。
芸術の意義とは?
とにかく僕は勇気ある表現だと共感した。
人間は誰もが危ういのだ。
プログラムを購入したが、まだ読んでいない。おそらく意図するものとは違う受け取りがあるだろうが、自分が受け取ったものを言語化したうえで後でゆっくり読ませてもらおうと思う。
とにかく、創作者として、表現者として燃えた。