命日 | Rio の BLOG 『一日のはじめは感謝とともに』

2020年8月30日、彼はやってきました。名前は、前の飼い主さんが名づけたのをひきつぎ「なつ」のままでいくことにしました。
生後4か月、尻尾の長い美しい顔立ちの足長マンチカンでした。

「猫は15年くらい生きるっていうから、15年後は俺は還暦かー」なんて思っていました。

6か月になるとき、少しウンチが軟らかいことがあるので去勢のことも含めて相談をする為に初めて病院に行きました。
軟便自体は問題なかったのですが、「リンパ節に腫れがあるのが気になる」ということで折を見て血液検査をすることになりました。

7か月を迎えたころ血液検査の結果から、「猫伝染性腹膜炎(FIP)」であることが発覚しました。
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、1歳未満の子猫が発症することが多く、発熱、眼のぶどう膜炎、肝機能や腎機能の低下、脳炎、黄疸、腹水でおなかがふくれるなどの症状が起こり、進行が速いと診断後1か月以内で亡くなることも少なくありません。いずれにしても発症すると致死率は100%といわれています。
検査結果が出たときはまだ「発症」ではなかったのですが、8か月を迎えるまでの間に少しずつ症状が見えはじめ、二度目の血液検査で発症確定となりました。

獣医さんの協力と、何よりなつの頑張りで一時は数値が良くなったり全く遊べなかったのがちょっとだけあそんだりしながら、奇跡的に長期戦となりました。
発症した時からは「今日を迎えられること」が奇跡でしたから、亡くなるまでの約2か月は奇跡の連続でした。
「生きていること」や「今日を迎えられること」の尊さをなつから教えてもらいました。
なつはあまり鳴かない子で、ゴハンが欲しいときは眼を見ながら「チャっ」と口を開けます。それを「サイレントニャー」と呼んでいました。
一緒に寝るということがなく、常に1人で寝ていました。
甘えたいとき?はビミョーな距離に近づいて撫でろと催促します。
なぜかお箸でゴハンをもらいたがりました。
水は手ですくって飲みます。
新しく買った水飲み機からは最後まで飲んでくれませんでした。
窓から外を眺めるのが好きでした。

2021年2月21日17時57分、カッと眼を見開いたあとスッと消えていきました。
10か月と3日間。あまりに短い生命でしたが、カッコいい生き様でした。

闘病ピークの12月は「リトルプリンス」の稽古をしていたので、なつと王子がとても重なりました。キツネの役をしていて、王子に「いいよ、行ってもいい」っ言うときは少し辛かった。
「シャイニングスター」のナンバーでは毎度号泣していた。

多分、なつは俺たちのところに来る前に大切な存在がいたんだと思う。そしてそのもとへ還ったのだと。

「なつ、ありがとう」


そしていま、あまりにも凄惨で悲しいことが、家族単位で、国単位で、人種、民族、宗教単位で毎日毎日起きている。
何か出来ることは無いかと考えるも、自分のあまりの無力さに虚しくなる。

せめて、出逢ったひとつひとつの生命を大切に、奇跡的にある今という瞬間に感謝しよう。
なつ🐈がいたから、その後こなつ🐈‍⬛が来たから、そして娘がきて、まもなく息子を迎えるからこそ強く感じる。




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