参院選の街頭演説中に銃撃され、67歳で死去した安倍晋三元首相の葬儀が12日午後、東京・芝公園の増上寺で営まれた。妻の昭恵さんが喪主を務め、岸田文雄首相らが参列。弔辞は「盟友」麻生太郎副総裁(81)が読み「あなたが私の弔辞を読むことになっていたんじゃないか。つらいです。無念です。そのうち私もそちらにいくから、また楽しく話しましょう」と祭壇でほほ笑む安倍元首相に語りかけた。

 麻生氏は冒頭「言葉がない。かける言葉がない」とつらい心情を吐露。その後、互いの政治信条に触れ、安倍外交に話を巡らせた。

 「安倍先生とは国益を考えるという点で絆として結びついていました。外交について、持ち前のセンスと一線を譲らない胆力、国際社会での日本の存在を高めた戦後、最も優れた政治家だ。退任後も外国首脳から“シンゾーはどう言っているのか”と今なお聞かれる存在感があります」

 麻生氏は安倍元首相との思い出にも触れ「よく一緒に飲んだり、ゴルフもしました。正直申し上げて、あなたが私の弔辞を読むことになっていたんじゃないか。私がこうして読むのは大変つらい。無念です」と沈痛な表情を浮かべた。

 そして最後に「天国で(父の)晋太郎さんに、胸を張ってやってきたことを報告すればよい。(祖父の)岸総理も入って政治談議をすることでしょう。そのうち私もそちらにいくから、また楽しく話しましょう」と結んだ。

 SNS上では「麻生さんの弔辞」がトレンド入り。「麻生さんの弔辞、胸にくるな…」「泣いてしまった。辛…」「伝え聞いただけでも泣ける」「反則じゃん、、、泣くしかない、、」「やっぱり麻生さんらしい弔辞やった」「涙が溢れてきた 感情が追い付かない」など多くの反響を呼んだ。