プロ野球12球団は11日、臨時の代表者会議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大で延期している今季について、6月半ばから下旬の開幕を目指すことで一致した。7月に福岡市と名古屋市で予定していたオールスター戦2試合は中止する。1951年に始まった球宴の中止は初めて。開幕に向け、選手やスタッフの安全を守りながら試合を開催するためのガイドライン策定を急ぐ。

 

代表者会議に先立って同日行われた、Jリーグと合同の「新型コロナウイルス対策連絡会議」では、感染症の専門家チームから「本日の会議で開催の日時を具体的に決めるのは難しい」(賀来満夫・東北医科薬科大特任教授)と助言されたことを受け、開幕日の確定は見送った。

代表者会議後にオンラインで記者会見したプロ野球の斉藤惇コミッショナーは「周囲がサポートしてくれる形でないとできない。強行はあってはならない」としたうえで、「今月末までの感染状況を慎重に見極め、着々と開催のための準備をする。状況が許せば、真摯に問題に取り組みながら開催に向かっていく」と述べた。

既に韓国と台湾ではプロ野球が無観客で開幕にこぎつけ、台湾は8日から1試合1000人限定ながら観客を入れて開催している。日本野球機構(NPB)は両リーグから試合運営マニュアルを入手しており、斉藤コミッショナーは「両リーグのものをベースにしながら独自の案を既に作っている。もう少しブラッシュアップして開幕に備えたい」と説明した。

12球団は今後、選手やスタッフの体調管理や感染防止の具体策をさらに詰めるとともに、開幕後にチーム内に感染者が出た場合の試合実施・中止やリーグ続行可否の判断基準も定めていく。

また、チームの移動リスクが懸念されていることから、米大リーグでも議論されている、チームを何カ所かに集めて集中開催する案も意見として上がっており、実現可能かを検討していく。

既にセ・パ交流戦の中止は決定しており、レギュラーシーズンは最大125試合となっている。開幕しても当面は無観客試合とする方針を固めており、12日には臨時のオーナー会議を開いて今後の対応を協議する。22日には次回の新型コロナウイルス対策連絡会議も予定されている。