流石ですね、、ソフトバンク。


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http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-32118820080605?rpc=112


 [東京 5日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価 , 企業情報 , レポート )の携帯電話機「iPhone(アイフォーン)」を今年中に国内発売すると発表したことをきっかけに、ソフトバンク(9984.T: 株価 , ニュース , レポート )が人気化した。話題性が高い商品だけに注目されたものの、株式市場ではソフトバンクが携帯電話分野で絶対的な優位に立つとまでは見ていない。


 逆に競合2社の対抗策によって3社の競争が激化し、業界全体が活性化される可能性を指摘する見方が広がっている。


 年内に「iPhone」を国内発売する契約を結び、5日の東京株式市場でソフトバンクは朝方から買いを集めた。相場全般がさえない動きとなる中で、終日堅調な動きが目立った。対照的だったのが、NTTドコモ(9437.T: 株価 , ニュース , レポート )とKDDI(9433.T: 株価 , ニュース , レポート )の株価動向。「iPhone」の獲得に動いているNTTドコモは小幅高となったが、KDDIはシェアを奪われることを見越すかのように株価が崩れた。材料が飛び出した初動段階では、ソフトバンクの優位性を読み取る動きとなっている。


 しかし、市場では「iPhone」導入に対して冷静な評価をする関係者が少なくない。NTTドコモとソフトバンクとの2社で併売する可能性も指摘されるほか、仮にソフトバンクの独占となった場合でも、KDDIを含めた3社の中で絶対的な優位に立つかどうか不透明とされている。


 多くのアナリストが指摘するのが、米アップルがブランドロイヤリティとしてキャリアにレベニューシェアを求めている点だ。現時点では詳細は明らかにされていないものの、これが高いようであればソフトバンクにとって利益面でのうまみが少なくなる。


 また、日本では「iPhone」の売りである音楽機能が珍しくなく、昨年登場の時点と比べると、端末自体やサービスという観点から画期的と言える商品ではないとの見方も出ている。


 短期的に株価にインパクトを与える点を否定するアナリストはさすがにいない。しかし、現状では「利益面で大きな意味を持たず、ブランドや話題といった定量化できない要素で大きな効果を生むことが期待される。あらためて株価推奨に力を込めるニュースではない」(クレディ・スイス証券・リサーチアナリストの早川仁氏)といった評価が少なくない。


 ゴールドマン・サックス証券・アナリストの安藤義夫氏は、欧州で「iPhone」を導入したキャリアの株価動向について「導入キャリアの絶対株価は1カ月平均で10%前後上昇したが、株価に影響を与えるほどのインパクトは無いようだ」と分析していた。


 「iPhone」導入は、ソフトバンク1社に対し絶対的な優位をもたらすという意味ではなく、日本上陸という事実が業界全体に活性化をもたらす点で注目に値するとみる関係者が少なくない。すでに「iPhone」の特徴であるタッチパネルを搭載する動きが日本でも出始めているが「こうした動きがさらに拡大する可能性がある」(クレディ・スイス証券の早川氏)という。


 三菱UFJ証券・シニアアナリストの森行眞司氏は「今回の件でドコモとKDDIが何もしないとは考えられない」と前置きした上で「ドコモはiPhoneを導入するしないにかかわらず、日本の特性を取り込んだタッチパネル端末を投入する可能性もある」と指摘する。


 森行氏はKDDIに関しても「iPhoneは音楽機能に強みがあるが、迎え撃つ形になるKDDIは国内レーベルとのタイアップで一日の長があるため、この分野のサービスにおける戦略に注目している」とするなど、日本の携帯電話市場の底上げにつながる可能性があるとの見方を示した。


 他方、株式相場への全体の影響についても、好感する関係者が少なくない。ここにきて個人投資家の投資マインドが回復する中で、個人に人気が高いソフトバンクに好材料が飛び出したことの意味は大きいという。明和証券・シニアマーケットアナリストの矢野正義氏は「最近の相場では、電池などの環境関連や農業関連をはじめ、個人投資家の参戦を促す銘柄が動き、それが市場全体にボリュームアップという形で好影響を及ぼしている。そうした意味でソフトバンクの人気化もプラス材料になるだろう」と話していた。


 (ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)