大人のための文章法(和田秀樹 著)
年間50冊のペースで本を書き、その間も雑誌のコラム、新聞の解説記事、TVのコメンテーター、さらには、映画監督までこなしてしまう「精神科医」の和田秀樹さん。
等しく割り当てられているはずの24時間を、この人は一体どのようにして捌いているのか、常々不思議でなりませんでした。
本書を読んでみたところ、少しだけ了解できました。
速筆家・和田秀樹の秘密の一端を垣間見ることができる、とても興味深い内容です。
★シンプルマッピング
★概要
1.コンセプト
・恐怖からの脱出
→ 文章の苦手意識を克服する
・慣れる
→ 書かざるを得ない状況に追い込む
・「書く目的」を明確にもつ
・「書く意欲」をもって書く
2.発想
・国語(情緒)人間より数学(論理)人間→ 小説家志望なら話は別
・情緒的な国語人間は表現技法にこだわりすぎる
・論理的な数学人間は、構成にこだわる
・日常生活での基本的態度が文章にあらわれてしまう
→自己中心的な人、他人への配慮のない人、関心のない人は、文章が下手
→内省する人、ギブ・アンド・テイクを意識する人は、文章が上手くなる
※共感能力に関係する。
3.書き方
・話し言葉を文章にする→読み手の関心事、わりやすく、おもしろく
・脚本(シナリオ)を書くように書く
→まずはコンテ(設計図)を作成する
→コンテに基いて、カット&ペーストで話し言葉を埋め込む
→論理的に整理する(構成の入れ替え、組み換え、表現修正)
・テクニックよりも、コンテンツを充実させる
→コンテンツの充実化は、「読書量」がすべて
・最低限のテクニックとして
→主語、述語をあえて明示する
→借文多用
→うまい人に添削してもらう
4.国語教育
・日本の国語教育は情緒的に過ぎる
・心情読解偏重主義
・単純な論理思考教育を飛ばして、より高度な「国文学教育」を志向
・ハイレベルすぎてついていけない生徒を生む
・結果的に文章に苦手意識をもった多くのビジネスマンを生む
5.気づき
・文章がうまくなると話もうまくなる
・ベストセラーは狙って書く
→入念な準備
→時期、タイングを待つ
★感想
20万部以上売れた「大人のための勉強法」と比べると、少し影が薄いような印象を受けますが、読んで楽しくタメになる本でした^^
あなたがもしサラリーマンで、いつも上司から「早く報告書を出せ」「新しい企画書はどうした!」と、せっつかれているタイプなら、本書は強いミカタとなってくれると思います。
俄かには信じられないことですが、和田さんは国語だけは「どうしても苦手」だったんだそうです。
学生時代に映画監督を志して脚本を書かざるを得ない状況に自分を追い込んだところで、はじめて書けるようになったとか・・・(しかも、最初の作品はポルノ)。
今も本業(?)の合間を縫って年間数十冊の新刊を送り出す秘訣は、当時の映画脚本さながら、まずコンテを十分に整えてから書き出すという所にあるようです。
生産の前に、まず設計図。
文章に限らずなんでもそうですが、こうしたことを習慣化するうちに、ほんのわずかでも和田さんのような生産者に近づけるのかなあ~と励みにもなる一冊です^^

