雨が降ると、きみを思い出します。
そんな記憶は ない筈なのに、僕はいつも びしょ濡れのきみを 思い出すのです。
濡れて 冷たい きみの肌を、僕はずっと、きみに逢うよりずっとまえから 知っていました。
雨の匂いが、僕の記憶を濡らしていきます。
渇いた僕を 癒すように、僕の記憶は きみで満たされていくのです。
雨が降れば きみを思い出す。
雨が降れば きみに逢える。
雨が降れば きみは甦る。
雨の匂いが 僕をこんなにも震わせる。
きみの匂いが 僕をこんなにも狂わせる。
陸地など なくなるほどに、降り続ければいい。