なんか訳分からんブログタイトルかもしれんけど...『ハートストッパー』から新しい供給がありましたので紹介しちゃいますね。本ドラマで主人公のチャーリーとニックを演じたジョー・ロックキット・コナーが、メンズファッション誌GQのイギリス版の表紙を飾りました♥️


本当はステキなお写真を載っけたかっただけなんですけど、インタビューを読んでて興味深いなって感じた部分もあったので、それをいつも通り勝手に抜粋して日本語に訳して紹介しちゃいます!ちなみに今月の初めにキットはバイセクシャルをカミングアウトしたんですが、今回のインタビューはそれよりも前に行われたものになります。それではどうぞ!



(小さな頃から子役として芸能界で仕事をしていた)キットは11歳の頃を思い出し(略)映画『喜望峰の風にのせて』でレイチェル・ワイズとコリン・ファースの息子を演じるか、それともクラスメートと(略)遠足に出掛けるかを選ばなければならかったときのことを「あれは本当にマジで(大きな)葛藤だった」と語る。キットは(結果的に)映画に出演することを選び、それは正しい判断だったと思えるようになった。


一方のジョーは(略)アイル・オブ・マンのダグラス*-イギリス諸島の中で一番最後まで同性婚を合法化しなかった場所-でゲイとして育つ。彼は「僕の生まれ育った地について知っている人がいても(そこで生まれ育っていない人には)きっと完全には理解できないと思う」と語る。その場所を彼は「古典的で小さなイングランドの町だけど、決して外に逃れることのできない孤島の上にある」と例える。


*アイル・オブ・マン(マン島)は、アイリッシュ海の中央に位置するイギリス諸島の一部で、イギリス連邦の加盟国ではない独自の自治権を持った島。けれど一般的には英連邦の一部として見なされることも多い。ジョーが生まれ育ったダグラスはマン島の首都。



ドラマのキャスティングディレクターであるダニエル・エドワーズは、まずキットをオーディションし、キットがチャーリーの役を演じる姿を初めは頭に描いていた。しかしキットが(コロナ禍での)Zoomオーディションを受けたときに「キットの大人っぽい態度がニックの役にピッタリだと確信した」とエドワーズは振り返る。


ジョーはSNSに掲載したオープンコールのオーディション(エージェントなどを通さずに誰でも応募できるオーディション)の呼びかけに答えてきた。「ジョーは壁にポスターが飾られた自分のベッドルームの片隅で撮影したオーディションテープを僕らに送ってきたんだ」とドラマの監督であるユーロス・リンは振り返る。「彼は正真正銘のチャーリーという感じだった。息をするのも申し訳なく思うような(自分が存在していることを申し訳ないと否定するような)15歳の男の子。彼の持っている資質が、彼の謙虚さが、それを物語っていた」


ふたり(キットとジョー)はロンドンで行われたジョーの最終オーディションの場で初めて顔を合わせた。「キットは僕が(初めての経験で)何もかも分からない(と戸惑っている)のを気づいていた」とジョーは当時のことを思い出し「だからキットは僕の気持ちが和むようにしてくれた」と語る。


ジョーは(オーディションに合格した後)家族と親友の2人にだけ行き先を告げて「ごめんねNETFLIX、守秘義務を破っちゃった」とジョー)アイル・オブ・マンをあとにした。



(撮影が始まると)キットは『ハートストッパー』の素晴らしさに気がついた。撮影セットを見回すと、キャストやクルーの大多数はクィア(の人々)だった。このドラマは「僕(のような人)たちのためのもので、僕たちが今まで見ることができなかったレプリゼンテーションを与えてくれた」とキットは語る。



それは2018年の夏のことで、その頃、ジョーも自分がクィア作品の一部になれたことを初めて身に染みて実感していた。スクールホリデー(学校の休み)中のある夜(略)ジョーはルカ・グァダニーノ監督の『君の名前で僕を呼んで』をオンラインで観ようとしていた(本文の表現とは若干異なります)。すると「『あなたに会いたがっている女性が近くに40人います』ってアダルトサイトの広告が出てきたんだ」とジョーは笑いながら振り返る。「今からゲイ作品を観ようとしてるのに!って(思わずツッコミそうに)なった」(ww)



それ(世界的な大ヒットドラマに出演したということ)は、2人の若い俳優たち(キットとジョー)の私生活に必要以上に監視の目が向けられるという事態へと繋がった。キットが新しい作品で共演する女性の共演者(今後公開される予定の映画『A Cuban Girl's Guide to Tea and Tomorrow』の共演者)と手を繋いでいる写真がネットに出回ると、キットは自身のツイッターを削除した。(ツイッターをやめたという意味で、今もアカウントは残っている)


キットは「クィアベイティング」だと批判されることに。それは世間的にストレートだと公言する人々が、自分たちの作品の真髄をねじ曲げ、クィアの人々の関心につけ込むという(この件の場合は)間違った使われ方をしている言葉である。(キットがクィアベイティングをしているという)決めつけによって、自身のセクシャリティーを公言しなければいけないという(世間からの)プレッシャーに疑問を抱いていたキットはツイッターをやめることとなった。


「SNSは僕の心の中を覗ける窓ではない。(SNSでの言動がキット自身の人間性や考えを完全に表しているとは言えない、という意味)だからツイッターをやめたのは、僕の人生で最良の選択だった」とキットは語る。


ドラマの成功は、ジョーの方にも望まない(プライバシーの)侵害をもたらしたようだ。(略)タブロイド誌は、ジョーがいったい誰と交際してるのかと推測するようになった。「タブロイド誌がティーンエイジャーの性生活(恋愛)に関心を持っているなんて気持ち悪すぎる」とジョーは語る。「18歳の男子である僕の好きな人や付き合っている人に関する噂で誰かがお金をもうけているなんて、気持ち悪いし道理に反してる」(略)「僕は18歳なんだよ。まだ自分が何なのかも分かってない」



それでも、キットとジョーには(いつでも)お互いがついていることが(2人にとって)助けになるだろう。「ジョーは、僕にとって本当に色々な意味で命の恩人なんだ。サポートシステム(支えてくれる存在)でもあり、なんでも一緒に切り抜けられる友達でもある」とキットは語る。


「僕も同じようにキットを誉めてあげようとしてるんだよ」とジョーはうなずき、微笑む。「たぶんキットは、自分で自分がどれだけ素晴らしい人なのか分かってないと思う」


(今回のインタビューはロンドン北部にある「Rowan's」というボウリング場でボウリングをプレイしながら和やかな雰囲気で行われた。)ジョーにはボウリングの才能がある。ストライクやスペアを次々と獲得し(ジョーが投げた)ボールがレーンの中央を突進すると瞬く間にピンが消える。するとジョーはいつもその華奢な体をキットと私(インタビューを担当したインタビュアー)の方へ向け、わざと自慢するように髪を耳にかける仕草をする。


キットはというと、ジョーほど上手くいかないようだ。キットは投げたボールがガターすると-本当に何度もそうなるんだけれど-いつもその赤毛で美しい顔にかかった髪を手でかき分ける。「キット!ちゃんと狙いを定めなきゃダメだよ!」とジョーはキットを鼓舞する。「矢印に沿って投げるんだよ」(とジョーは言い)当然のことながら、キットはそのコツを掴むと(ボウリングの)腕が磨かれていった。(ドラマの中では逆だったのに...w)



ドラマ(シーズン2以降)では、チャーリーの身体醜形障害(しんたいしゅうけいしょうがい、自分の身体が醜いと思い込み必要以上に体型や見た目を気にしてメンタルに不調をきたす障害)について描かれる。それは、筋骨隆々な人物こそが伝統的に憧れの的とされるスクリーンで(映画やドラマの中で)自分たちのような(自然な)体つきの人々が写っている場面を見る機会が極端に少ない若者の間で蔓延している問題だ。


そのテーマはジョー自身にも共感するところがあるよう。「多分みんな自分の体の悪いところや直したいところに目が行くんじゃないかな」と彼は付け足す。「この一年で(ドラマ配信前と比べて)より多くの人が僕の顔を見るようになったし、より多くの人が僕の(自分が自分で)嫌いなところに目を向けるようになったから(自分の)欠点が浮き出て見えるようになったんだ。」


ジョーは自分の見た目に関する他人の意見を(オンライン上で)読むのを控えることを学んだそうだ。それは例えば彼の耳(に関してのコメント)とか。「お母さんに耳をもっと後ろに押さえたいって頼み込んだんだ。でも僕の友達がある日(耳を押さえつけながら)『本当にこんな風になりたいの?』って聞いてきた」ジョーはそれまで重要だと思っていた(どうしても気にしすぎてしまう)事柄も(それについて)考えすぎるのを止めれば、なんでもなくなることをその瞬間に学んだ。



キットも彼の役柄を再び演じられることにワクワクしているようだ。ニックがシーズン2で見せるキャラクター軌道は(アリス・)オズマンが描いた(原作の)ストーリーと殆ど同じだとか。少しの修正は加えられているそうだが。「それ(ニックのストーリー)が多くの人にとって大きな意味を持っていることは、僕ら皆が分かっている。でもそういうプレッシャーをかけられるのは嬉しいことだよ」とキットは言う。「僕たちの肩に掛かってるってことだね」


インタビューが終わり、皆でボウリング場をあとにするとき、ある一人の少女が声をかけてきた。彼女の前腕には前日に彫られたばっかりだという『ハートストッパー』のキーモチーフである🍂(葉っぱ)のイラストのタトゥーが入っていて、それを私たち(インタビュアーとジョーとキット)に見せてくれた。そして遠くから会話に参加してきた彼女の母親は、ドラマの舞台と同じ男子校で教師を務めているといい、ジョーやキットがクィアの男の子たちの支えになっていることを称えた(本文の表現とは若干異なります)。ジョーとキットは「ありがとうございます」と言い(写真を撮ってもらえますか、と少女からお願いされると)「もちろん撮りますよ」と答えた。



-終わり-



ジョーとキットの人柄と、彼らのちょっとした生い立ちなんかが伝わりましたでしょうか。2人はドラマの配信以来、雑誌やらテレビやら色んなインタビューに応じているんですけど、LGBTQ作品の主演としてシリアスな質問を投げ掛けられる場面でも、思慮深い受け答えをしていて賢いなと感心しつつ、まだ十代なのに偉いよねと思いながら見守っております。(どうゆう立場だよ←)


ちなみに今年の夏ごろ、ジョーは生まれ故郷のアイル・オブ・マンで今も施行されている同性愛者の医療機関での献血を禁止する法律(AIDSが流行した時代にイギリスで作られた法律だそうで、イギリス全土では現在撤廃されている)を批判するスピーチを行って「時代遅れの」(とジョーが呼んだ)法律に対して声を上げました。


んで、そのスピーチ動画がネットで拡散されると、アイル・オブ・マンの政府がそれに反応して法律の撤廃に向けての検討を始めたそうです。ジョーは今や政治をも動かす影響力を持った存在なんです!素晴らしい!そんなわけで、今回のインタビューの本文や他の写真は下記のリンクから。ではまた~🍂