ドリー・レイコの小説 -10ページ目
春の日に君を想う
桜の木の下で
君という存在が
まるで桜の花が咲く
音のように
優しく柔らかに拡がり
我が胸を奪う
桜色の花びらが
暖かな風に運ばれてくるように
いつの間にか
君はそこに存在する
その姿は優美さに溢れ
目を奪う
押し付けることなく
自分そのもので在る君の髪を
春の風が穏やかに揺らし
君の香りに火照りを感じ
俯いたほんの一瞬
君の姿はもうない
夢と現の境目に
独り立ちつくす
我が胸に残る感情だけが
今ここに在る
そして我が道に進む
夏が来て
秋が来て
冬が来て
次の春の日に
桜色の君の頬に優しく手を添えて
唇を合わせ
現を我が身で知る
春の日に君を想う
桜の木の下で
ドリー・レイコ🌸

