春の日に君を想う

桜の木の下で





君という存在が

まるで桜の花が咲く

音のように

優しく柔らかに拡がり

我が胸を奪う





桜色の花びらが

暖かな風に運ばれてくるように

いつの間にか

君はそこに存在する

その姿は優美さに溢れ

目を奪う





押し付けることなく

自分そのもので在る君の髪を

春の風が穏やかに揺らし

君の香りに火照りを感じ

俯いたほんの一瞬

君の姿はもうない






夢と現の境目に

独り立ちつくす

我が胸に残る感情だけが

今ここに在る

そして我が道に進む





夏が来て

秋が来て

冬が来て

次の春の日に

桜色の君の頬に優しく手を添えて

唇を合わせ

現を我が身で知る





春の日に君を想う

桜の木の下で







photo:レイコ





ドリー・レイコ🌸