職業運転手Qの車窓 -4ページ目

職業運転手Qの車窓

今日は東へ明日は西へ
私が走るその先の
あなたの街に笑顔を届けたい

皆さんは腕時計してますか?
私は腕時計がないと、なにか物足りない感じがします。
ただね・・ すぐ壊れちゃうんですよ。
荷扱いの時に台車とかにコツンコツン当たったり、夏でも食料品の配送センターは建物内10℃以下、-20℃の冷凍庫内での作業、その直後30℃の外気温へと急激な温度変化、及びそれに伴う湿気にさらされたりと、機械にとってはかなり過酷な状況です。
まるで耐久テストですねー。衝撃と温度差、耐水性も必須です。雨に打たれるのはもちろんですが、私は手をバシャバシャ洗います。
私達ドライバーは分刻みのスケジュールで動く割に、同僚達は案外腕時計をはめてない、やっぱり壊れるからなんだって。丈夫な時計といえばCASIOのGショック、間違いなく頑丈さでは世界一でありましょう。しかし、私は金属製にこだわっていて樹脂製のベルトが好きじゃない。耐久性では樹脂に分があるので嗜好と矛盾してますが。

そんなわけで長年肌に合う女・・もとい、腕時計を探し求めた結果、
現在愛用している一品はコレ! SEIKOのダイバーウオッチです。


秋葉原でこいつに出会ったのが5年ほど前。
「美しい・・ 今すぐ君を連れて帰っていいか?」 一目惚れです♡
でもって、店員さんの説明を聞いてびっくり!運命を感じます。

この時計はね、電池交換不要の潜水防水ですが、ソーラーではない。「キネティック」というSEIKO独自の自動巻きメカニズム搭載モデル。時計はめた腕を動かす振動によって発電し、電解コンデンサなるバッテリーに蓄電した電気を動力としています。一日中腕を使う私のような職業にピッタリでしょ?耳元で動かすと、ぜんまいのような物が動いてグリグリッて音がするんですよー。ただし、ソーラーよりメカニズムは複雑ですし、部品点数も多くなりますので、厚く重くなるのが難点かな?むしろ私にとっては、そのゴッツイ感じがたまらないのですが。

私はかつてスキューバダイビングを趣味としてまして、その頃装着し一緒に潜水していた大のお気に入りが何を隠そう、キネティックの初期型だったのです。残念ながら4・5年で故障してしまった(涙)それ以来、様々なダイバーウオッチを試してる間にこいつは進化して再び私の前に現れたのです!
その忘れられない相棒はゴールド&シルバーのデザインで、第一印象がまるで違っていたので不覚にも私は同タイプだと気づかなかったのですが、店員さんに「ソーラーじゃないです、自動巻きです」と言われ、ドキッとしてしまった。SEIKOの自動巻きということは・・
耳元でグリグリッとやってみる・・・ああ、この懐かしい感触。
「離れ離れになっていたが結局おまえと結ばれる運命だったんだな。他の女に目移りしちまってごめんよ、もう離さない」
ってことで、以来風呂も一緒だったりする(笑)


さて、ここからが本題ですよ(前置き長すぎ~)、チャンネルはそのままで。
5年もの間苦楽を共にした相棒ですが、ついにベルトの一部が壊れてしまった、この部分です。


パチンとはめた後のさらにフタのようなもので、この部品自体はなくても支障ないのですが、自分で直そうとペンチで引っ張ったりしてみたらこれが実に微妙な接続で余計ずれちゃってブランブラ~ンとなってしまった。
で、駅前に個人経営の小さな時計屋があったの思い出しさっそく行ってみる。イメージは頑固な職人気質の店主がまぶたの間に挟む筒型の拡大鏡?ああいうので「ほう、どれどれ」ってな感じで、これまた繊細な工具で修理してくれるのではないか、と。

Q「これ、この部品取り替えて欲しいんです」
女(店主の夫人であろう年配の女性)「ああ~、これチタンだね。うちにはないね」
ベルトが幾つも入った箱を取り出し、「うちにあるのはこれで全部だよ」と。
一応ひと通り見てみると似たような形のものはあるのだが、相棒のセクシーさはチタン特有の渋い輝きに由来する面が多々ある、代わりになりそうなベルトはない。

男「古いのは部品がないんだよねぇ」
と、いつの間にか登場した店主が開口一番言った。
はあ?おいオヤジ、横からチラ見しただけで、この時計の生産年代・部品在庫の有無わかるのか?だとしたら、たいした商品知識だが。普通メーカーに問い合わせて確認したりするもんじゃないのか?

ダメだこの店は・・全くやる気がない。
この部品だけ交換してもらうか、さもなくば外してもらおうかと思っていたんだがこの夫妻、店に置いてあるベルトの在庫から選ばせることしか感心がないようだ。こんな誠意のない商売でこの競争厳しい世の中よくもまあ生き残ってこれたもんだ。自分の代で店閉めるつもりなのだろう、修理する気もメーカーから取り寄せる気もないなら用はない。
文句のひとつも言いたいところだが、さっさと頭切り替えて徒歩で行ける距離にあるショッピングモールに向かう。

テナントで出店してる時計屋があった。
尋ねてみると、虫眼鏡でよく観察した上で、接触する小さい小さいピンのオスの部分が劣化しているということ、さらに必要な工具がないのでこの部分だけ取り外すことも出来ません。と明確に答えてくれた。ベルトごと交換ならできますということで。さらに、その日はメーカー休日なので月曜まで待って下さいと対応受けた、ごく当たり前だがていねいに。
約束通り、月曜に電話がありメーカーに在庫はある、という連絡を受けた。
値段を聞くと、およそ15000円!
グッ・・さすがチタニウム合金、高いっ(涙)
相棒よ、おまえは金のかかる女だな・・しかし、おまえの美しさを思えば仕方ない。
「じゃあ、注文して下さい」

そんなわけでベルトが届いた一週間後、相棒はまた元の美しい姿に復活したわけですが、その際店員さんと雑談する過程でカタログを見せてもらい、この時計が現在も生産中の現役モデルであることやその店では、取り寄せ商品でも20%引きしてくれることやらの情報を得た。
私は通販のような、現物を見ないで商品を購入するような買い物はしないが、もし今の時計が壊れてしまったらまた同じものこの店で注文しようかな、とも思った。
つまりは、優秀なモノづくりをするメーカーの努力も、それを販売する店の態度しだいで魅力半減してしまうこともあるってこと。安く買いたいのはもちろんだけど、あとあとを考えると信頼出来る店とながく付き合うことも大事ですよね~?まず何より、数万円もする買い物は心地良くなくちゃね!

5年間、過酷な使用状況を耐え、私と時を刻んできた相棒。
いつまでも俺の腕に絡み付いていてくれ、いずれおまえと潜って海中を探検しようじゃないか。