2024年5月4日(土)夜の部

2024年5月6日(月・祝)昼の部

 

團菊祭、オシドリは見れず、毛抜から。四世左團次の追善狂言として、男女蔵が粂寺弾正を演じます。若い頃の浅草歌舞伎以来とのことですが、これが立派。この1~2年大役を順次演じていますが、何れ左團次を襲名するのが見えてきましたね。体格が良く、声も太く通る、いくつかの場面では四世を彷彿させました。何より演技が確り、表情、型が良く出来ていました。

 

幡随院長兵衛は團十郎が。この役は團十郎の仁に合っていて、播磨屋が見せたような腹の芸ではなく、ある意味歌舞伎らしい型と気風の良さがありました。男女蔵が出尻清兵衛で一寸おかしな役を演じていましたが、前幕の毛抜の流れから面白く観れました。感心したのが、菊之助の水野十左衛門、どこか無表情でありながら、何か腹にある様子、菊之助のキャラクターもあるのでしょうが、過去の数々の名優を上回る嵌り、團菊祭なので團十郎に付き合ったのかもしれませんが、過去七代菊五郎が何度も演じてきた役で良い物が観れました。

 

夜の部は菊之助の政岡、丑之助も千松で出演。飯炊きでの所作もきっちり、しかし何か迫るものが、、、この役は難しい、正直心からまだ感動したことはないのですが、いつか震えるほどの舞台を観てみたいものです。特筆すべきは雀右衛門の栄御前、これが立派、歌舞伎らしさ、威厳も十分で素晴らしい。

 

四千両小判梅葉は初めて観ます、前半は流れていきますが、やはり後段の牢の場面が見所ですね。牢名主がいて、コンプライアンスぎりぎり(笑)の内容ですが、可笑しみと、何とも言えぬある種の形式美があり興味津々、松緑の長所も良く出ていました、では。