2023年9月23日(土)12時開演 国立劇場大劇場

 

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト
初代国立劇場さよなら特別公演
近松半二=作
通し狂言 妹背山婦女庭訓  三幕
      (いもせやまおんなていきん)
                  <第一部>
            戸部銀作=脚本
            高根宏浩=美術

序 幕  春日野小松原の場
二幕目  太宰館花渡しの場
三幕目  吉野川の場
太宰後室定高中村 時蔵
蘇我入鹿坂東 亀蔵
久我之助清舟中村 萬太郎
腰元小菊市村 橘太郎
采女の局坂東 新悟
太宰息女雛鳥中村 梅枝
大判事清澄尾上 松緑
 

国立劇場はさよなら公演、歌舞伎は暫くは新国立劇場(中劇場?)で上演を行うとのことですが、肝心の次の国立劇場は建設業者が入札を繰り返しても業者が決まらず、混迷している状況とのことで心配です。。

 

歌舞伎のさよなら公演は9月、10月で妹背山婦女庭訓の通し公演。菅原伝授の通し公演を予想していたのですが、妹背山は通しで観たことがなく観に行くことにしました。9月は長大な吉野川がメイン。近松伴二得意のシンメトリー構造が舞台装置、義太夫、役者の台詞などが明確に打ち出されたものでした。9月公演分は全て初見です。

 

冒頭の小松原の場は、腰元役の橘太郎のおかしみと共に、玉朗と緑が良い仕事、見目も良しで素晴らしい。もっとこの二人には活躍して欲しいですね。

 

第2場の太宰館の場では、蘇我入鹿役を珍しく坂東亀蔵が演じました。ここからは全体通じで時蔵の定高がずば抜けて素晴らしい。台詞が明瞭で、姿勢が決まって立ち姿も自然かつ美しい。これは第3場の長大な吉野川でも同様。昨年の荒川十太夫以来、好調な松緑ですが、今回の大伴事も健闘していましたが、一寸仁と異なるのでは?播磨屋、高麗屋の得意な役ですが、吠えてはいけない。10月以降の歌舞伎座での忠臣蔵物で色々挑戦があるようなのでそちらに期待しましょう。

 

今回は3階席でしたが、入りは土曜日のさよなら公演にしては一寸さみしいかな。来月は久しぶりに気張って1階席に、有名な三笠山などもあり楽しみです。これが国立劇場の行き納めとなります、では。