9月2日（土）11時開演 歌舞伎座
9月の歌舞伎座は吉右衛門追悼の秀山祭、金閣寺、土蜘蛛、二条城の清正が上演されました。金閣寺は歌六・米吉親子と勘九郎が良い仕事をしていました。米吉の雪姫、何とも愛おしい、以前から舞台姿も台詞廻しも良かったですが、初役の雪姫、まあ何と可憐なことか。一番の見せ場である白ねずみが絵を描く場面、美しい花吹雪、襲名興行の雀右衛門も大人の雪姫でしたが、等身大のピュアに美しい舞台でした。
吉右衛門の土蜘蛛も機会がなく観たことがなかったのですが、今回は甥の幸四郎。蜘蛛糸が拡がらず一寸白ける場面はあったものの、舞踊物での幸四郎は形が出来ていて、世話物よりも余程良いですね。今回は又五郎が良い仕事をしていました。
最後は白鷗と染五郎の二条城の清正、敢えて言えば一寸辛気臭い芝居ですが、やはり二条城の場面も一緒でないと、御座舟の場が映えないのではないかと。舞台姿が安定しなくなった白鷗、力を振り絞っての舞台で、この日は声も良く出ていました。染五郎の秀頼、台詞が棒読みに聞こえてしまうのが残念。襲名興行での一力茶屋での白鷗と染五郎、あれは素晴らしかったですが、段々と厳しくなってくるのか、では。
