2022年10月30日(日)13時開演 新国立劇場 中劇場

新国立劇場 開場25周年記念公演
レオポルトシュタット
Leopoldstadt

令和4年度(第77回)文化庁芸術祭主催公演 日本初演
公演期間:2022年 10月14日[金]~ 10月31日[月]
予定上演時間:約2時間20分(休憩なし)

 

劇作家として高名なトム・ストッパード、実は観るのははじめて。2020年に初演されたばかりの戯曲が新国で上演されました。ウィーンのユダヤ人およびキリスト教改宗者の大河ドラマ的な戯曲で重厚なテーマながらユーモアも巧みに入る作品でした。

 

休憩がないとは事前に知らず、2時間20分ノンストップでの上演でしたが、5つの時代に分けられた一家の物語、先日の女の一生のような展開の仕方で、冗長さは全くなく、10数日にわたる公演の最終盤だったこともあるのか、かなり練り上げられていたと思います。音月の老けた演技が一寸?だった以外は、ややオーバーアクションの役者はいたものの、特に那須、瀬戸、木村の演技が光っていました。新国の演劇は12月の横山拓也作・大澤游演出の夜明けの寄り鯨(小島聖ほか)を観る予定です、では。

 

 

 

Storyものがたり
20世紀初頭のウィーン。レオポルトシュタットは古くて過密なユダヤ人居住区だった。その一方で、キリスト教に改宗し、カトリック信者の妻を持つヘルマン・メルツはそこから一歩抜け出していた。街の瀟洒な地区に居を構えるメルツ家に集った一族は、クリスマスツリーを飾り付け、過越祭を祝う。ユダヤ人とカトリックが同じテーブルを囲み、実業家と学者が語らうメルツ家は、ヘルマンがユダヤ人ながらも手に入れた成功を象徴していた。しかし、オーストリアが激動の時代に突入していくと共にメルツ家の幸せも翳りを帯び始める。大切なものを奪われていく中で、ユダヤ人として生きることがどういうことであるかを一族は突き付けられる......

 

Introductionはじめに
英国の劇作家トム・ストッパードの最新作『レオポルトシュタット』を日本初演いたします。『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『コースト・オブ・ユートピア』『アルカディア』など、日本でもこれまで多くの作品が上演されているストッパードが「最後の作品になるかもしれない」としたことから、その上演前より大きな話題を呼び、2020年1月にロンドンで世界初演を迎えると瞬く間に絶賛されました。20年のオリヴィエ賞作品賞を受賞し、ブロードウェイをはじめ英国国外での上演も既に決定している本作で描かれているのは、あるユダヤ人一族の物語。戦争、革命、貧困、ナチスの支配、そしてホロコーストに直面した20世紀前半の激動のオーストリアに生きた一族の一大叙事詩は、50代で初めて自らのユダヤ人としてのルーツを知ったというストッパードの自伝的要素も含まれているといわれています。

翻訳に超大作『コースト・オブ・ユートピア』を手掛けた広田敦郎を迎え、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『かもめ』『ほんとうのハウンド警部』などこれまで数々のストッパード作品に演出者・翻訳者として携わってきた演劇芸術監督の小川絵梨子が演出を手掛けます。この大作をおよそ30名のキャストと共にお届けします。

後援:ブリティッシュ・カウンシル