2022年3月6日(日)12時開演
-盛綱陣屋-
国立劇場美術係=美術
「入門 “盛綱陣屋”をたのしむ」
ご案内 中 村 萬太郎
書 武田双龍
『近江源氏先陣館-盛綱陣屋-』
佐々木盛綱 尾 上 菊之助
高綱妻篝火 中 村 梅 枝
信楽太郎 中 村 萬太郎
伊吹藤太 中 村 種之助
盛綱妻早瀬 中 村 莟 玉
高綱一子小四郎 尾 上 丑之助
盛綱一子小三郎 小 川 大 晴
古郡新左衛門 嵐 橘三郎 → 中村 又之介
盛綱母微妙 上 村 吉 弥
北條時政 片 岡 亀 蔵 → 嵐 橘三郎
和田兵衛秀盛 中 村 又五郎
ほか
国立劇場3月は中堅が初役や通し狂言に挑戦する演目が並ぶことがありますが、今年は菊之助が盛綱陣屋を。播磨屋のお家芸をということだったのですが、岳父吉右衛門は亡くなってしまったので過去の資料で勉強したのでしょうか?松嶋屋に行くことはなかったとは思うのですが。よく考えると、盛綱陣屋は仁左衛門で2回観ただけで他の役者、吉右衛門も含めて観たことがなかったのですが、この日の菊之助は等身大の盛綱というか、様式整った非常に仕振りが良い舞台で、台詞も明瞭で今回は3階だったのですが、良く聞き取れました。音羽屋の御曹司として世話物の立役に挑戦しなければならないのは宿命ですが、菊之助は品性・筋が良く、踊りも素晴らしいので、弁天小僧や先日の鼠小僧次郎吉などは合うのですが、魚屋宗五郎や元結文七などはある種の破天荒さも必要なのでどこか吹っ切れないところがあるのですが、音羽屋の筋ではないこの盛綱陣屋は良かった、演じ続ければ深みも増していくのではないかと思い、期待したいと思います。和田兵衛の又五郎、赤顔役は最近とみに良くなってきたのが嬉しいところ、これから10年が見所で演目を選らんで何か主役を張ってもらいたいものです。代役の時政役の嵐橘三郎、流石は実力者で泰然とした時政の役を確りとこなしていました、亀蔵は好きな役者ですが、この役であれば亀蔵よりも橘三郎の方が適役では?涙を誘う小四郎役は丑之助、1階席のご婦人方は泣いている方も大勢いましたが、声の張りも良く合格点。吉弥、莟玉、梅枝の女形も良い仕事で総合点として大変満足感ある盛綱陣屋でした、では。