2022年1月3日(第2部)、1月15日(第3部)、1月22日(第1部)

一條大蔵譚では扇雀、七之助がコロナ濃厚接触者となり、常盤御前 扇雀→中村歌女之丞、お京 七之助→中村京蔵、成瀬 歌女之丞→澤村國久、での代演による公演。

 

1月は虎之介や公演関係者がコロナ陽性となり、第一部、第三部で代役での公演が相次ぎましたが、流石は歌舞伎の世界、すぐさま代役を立てて公演を継続。古典ならそうだろうと思いますが、岩戸は新作であり松也の代演の猿弥はすごいですね(小生は松也出演日)。

 

舞台としては第三部の四の切での猿之助が圧倒的に素晴らしいし、何より面白い。澤瀉屋の外連味のある演出の一方、芸が細かい。圧倒的な充実度で、歌舞伎座新開場の三か月の記念公演では全く出演していなかった猿之助が、この1年、仁左衛門・玉三郎と並んで大活躍。テレビに出演し過ぎて大丈夫かな、と心配していましたが杞憂のようですね。雀右衛門の静御前も立派。

 

話題としては、獅童の3歳の息子の小川陽喜のお披露目演目、元禄花見踊が報道の数もスゴイものでした。子供を使って、などというのは無粋、それにしても3歳って小さいですね(笑)。確かに愛嬌あるキャラクターで思わず笑顔に。若衆を踊った成駒屋3兄弟や西成駒屋の虎之介(この日は復帰できていたようです)、國久も確りと踊れていました(福之助と歌之助は一寸硬かったですが)。

 

勘九郎の一條大蔵譚、上述のように代役が多かったですが、無難な舞台で、勘九郎自身も得意な役処だけに良し。春の壽での舞踊はあまり印象に残らず。浅草花形中心の岩戸の景清。隼人が成長しているのが嬉しいところ、莟玉も最近の踊りでは一番。一方これまで好感を持っていた女形の米吉と新悟の踊りが精彩を欠いたのがいささか残念。松也は主役を張るオーラはあるのですが、大衆演劇っぽくなる瞬間があるのが少し残念。これからも世話物中心に挑戦すると思いますが、世話物の中にも品は大事であり、華があるのだから、菊五郎や仁左衛門の指導があるうちに色々と吸収して貰いたいものですね、では。