2021年12月4日(土)歌舞伎座 14:30

 

冒頭男女道成寺、珍しい組み合わせで勘九郎と尾上右近。今日は朝風呂にも入って体調は良かったはずなのに、猛烈な睡魔が。。。前日先輩と天ぷらを食べ過ぎたかも(勿論感染対策されたお店です)。それもありますが、どうもしっくりこない踊りで、両者の息というか間が合っていないようでしたし、勘九郎の白拍子花子はどうも堅い。右近もどうも上滑っているように見えました。尤も私も虚ろ虚ろでしたが。

 

後半はじいさんばあさん。芝翫のような演技が臭い人がやると大衆演劇みたいで(決して大衆演劇を否定している訳ではありません、為念)観ていれなくなりますが、今日の勘九郎と菊之助のコンビはその点、確りと歌舞伎になっていました。仁左衛門・玉三郎or時蔵も悪くはないのですが、少し型に成り過ぎるようにも感じることもあり、今日の勘九郎・菊之助のコンビの方が自然体で味わいもあり好感が持てます。人間の心根が洗われる想いの芝居で、ほっこりした気分で劇場を後にしました。

 

ああ、もう吉右衛門を歌舞伎座で観れないのか、などと感傷にも浸っておりました。今年3月に観た、絶景かな~、との声が響いた吉右衛門の姿がその最後の舞台になろうとは。菊五郎も完全に老いてしまった状況であり、この世代では白鷗と仁左衛門が総決算的に様々な演目をこの1~2年かけていくのだと思います。来年2月歌舞伎座の仁左衛門の渡海屋・大浦物は必見ですね、では。