佐藤美枝子と言えばチャイコフスキーコンクールでの優勝、それが20年前なのですね。
藤原歌劇団中心に活躍しているそうですが、評判は聞くものの、実演はなんと初めてでした。
上海から国慶節で帰国して夕刻に紀尾井ホールへ。
到着したところ、プログラム変更とのこと。
最後に本人の説明によると4日前に風邪をひいてしまい声がでなくなり、ヘビーな曲を一部変更したとのこと。確かに前半は特に弱音で声がややかすれており、高音の意外なほど短ったのであれっと思っていたところでした。後半のアリアに入り、喉が潤いエンジンがかかったのでしょうか、表情も役に入り、それも日本人歌手にあるがちな白々しくなる表情ではなくプロとして本物の姿、アンコールの狂乱の場、テンンション高く、表現力も十二分で掛け値なしに素晴らしかった!ウーン、体調良い時の声でオペラ公演をしっかりと聴いてみたいと思いました。
プログラム変更後の唐木という作曲家の花の雨という曲、日本語が自然に流れ、耽美性もあり良い曲でした。そしていつもながら河原忠之のピアノ、手練れの素晴らしいものでした。
では。
<当初プログラム>
チャイコフスキー:それは早春のことだった Op. 38-2
私の小さな庭 Op. 54-4
カナリア Op. 25-4
子守歌 Op. 16-1
狂おしい夜々 Op. 60-6
和解 Op. 25-1
私は野の草ではなかったか Op. 47-7
チャイコフスキー:オペラ「エフゲニー・オネーギン」より"手紙の場"
シャルパンティエ:オペラ「ルイーズ」"その日から"
ドリーブ:オペラ「ラクメ」より"鐘の歌"
ベッリーニ:オペラ「ノルマ」より"清らかな女神を"
ドニゼッティ:オペラ「ランメルモールのルチア」より"狂乱の場"
<変更後>
チャイコフスキー:
それは早春のことだった Op. 38-2
子守歌 Op. 16-1
狂おしい夜々 Op. 60-6
私は野の草ではなかったか Op. 47-7
唐木亮輔 花の雨
越谷達之助 初恋
山田耕作 からたちの花
小林秀雄 落葉松
ベッリーニ ノルマ 清らかな女神を
ベッリーニ カプレーティ家とモンテッキ家 より おお、お幾度か
ドニゼッティ ルチア あたりは沈黙に閉ざされ
アンコール
プッチーニ トゥーランドットよりリューのアリア2曲
ドニゼッティ ルチア 狂乱の場
アヴェ・マリア