実演では多くの名演に接してきたが、ディスクになると意外に難しい。

 

1. ツィンマーマン サヴァリッシュ ベルリンフィル(EMI)

N響定期などでの名演があったが、ディスクでも素晴らしい。ディクションの安定度、

ここぞという音楽の太さなど圧巻。サヴァリッシュもベルリンフィルを音楽的に鳴らしている。

第2楽章のオーボエソロも秀逸。

 

2. フェラス カラヤン・ベルリンフィル(DG)

あまり話題には出ないが、一番手に取る演奏。フェラスの流麗な音の魅力を拒絶できない。

精神性が云々でこの演奏を評価しない人がいるが、私には意味が分からない。第1楽章のソロが聴き応え十分。解放弦の魅力がたまらない。カラヤンのバックも充実、ムターのバックも素晴らしいのでこの曲との相性は良いのだろう。

 

3. チョン・キョンファ プレヴィン ケルン放送響(青盤)

正規盤のラトル、ウィーンフィルがなぜか滑ってしまった音楽になっていて、この曲を大の得意とするチョン・キョンファに名声に傷をつけてしまっているが、その渇きを癒すのがこの盤。青盤だが音も充実、YouTubeでも映像があるもの。80年代だと思われるが、何しろこの気迫は尋常ではない、彼女が尊敬するシゲティのフィリップス盤も強烈だが、この盤は充実度では圧倒的に上。それにプレヴィンの包容力、音楽の流れが美しい。

 

次点は、ムター・カラヤンベルリンフィル(DG)、オイストラフ・クレンペラー(EMI)。近年も実力派がディスクを出しているが、この曲に関しては中々これらの盤を超えてくるものはない。実演だと素晴らしい演奏に出会うのに不思議な曲だ。